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flower 140. ページ41

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隼「俺にすればいいじゃん、って言ったの冗談だと思ってたんでしょ」


『思ってた…』


隼「あの時からずっと本気で俺にすればいいって思ってたよ」






わたしの目線に合わせてしゃがんで

隼らしくない微笑みを見せた。


なんで今なんだろう。

前のわたしだったら泣いて喜んで

隼に抱きついて離れなかったのに。


今は、どうしたって北人くんが頭の中をちらつくの。

今頃まだ…エレナさんと…。






『隼っ…ごめ…』


隼「あいつが…好き?」






隼の気持ちを真っ直ぐ受け止められない。


ありがとうって思う前に

なんで今なのって思っちゃう。



好きになってくれるって

すごいことなのに。






隼「少しも…俺のこと好きじゃない?」


『え…?』


隼「俺がミドリちゃんと付き合った時、Aさ、泣きながら隼大好きって言ってくれたじゃん。俺、あれずっと幼なじみとしてだって思ってたけど…。ほんとは、あれ…」


『っ、やめて!』






今更、思い出させないで。

隼が好きで好きでしょうがなくて

毎日隼の幸せばかり願ってたあの頃。


できれば隼の隣で笑うのはわたしがいいと思ってたあの頃。



好き、なんて言われたら

弱いわたしの心なんて簡単に引き戻される。






隼「A…」


『やめて、名前呼ばないで…!』


隼「A、好きだよ。こっち向いて」


『やだ…っ、隼やっ…!』






頬を包まれて上を向かされる。


見上げた隼の笑顔は

太陽みたいな笑顔。



わたしがずっと見てきた、大好きな笑顔。






隼「…気づくの遅くて、ごめん」


『っ…』


隼「好きだよ」






そう言うと、何故か隼まで涙を流しながら顔を近づけてきた。


隼の言葉は胸に花を咲かせるようにあたたかく広がっていって

溶けるようだった。



気づいた時には隼の唇が触れてて

キスされてるんだ、って気づいた。


震える唇が、緊張してるんだって分かる。



力を入れれば逃げられるぐらいの力で触れてくる隼の優しさが伝わってきて

力が出ない。



こんなのだめだって分かってるのに、ただ涙を流すことしかできないわたしは


弱い。



抵抗しないわたしを見て安心したのか

手を取って指を絡めてきた。


包み込んでくれるような優しいキスに

あの頃の気持ちが蘇ってくる。



あの頃に、帰っていく。






北「A先輩…?」






弱々しい声を聞いて反射的に隼の胸を押した。




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設定タグ:GENERATIONS , THERAMPAGE , 小森隼,吉野北人   
作品ジャンル:恋愛
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りんご - 泣けるぅー、気になるぅー、更新待ってます! (2017年7月31日 21時) (レス) id: 5224770d7d (このIDを非表示/違反報告)
塩玲於くん(プロフ) - ちょー気になる!!隼のとこに行かせたいけど、北斗ともいい感じだし・・・。 (2017年7月31日 17時) (レス) id: 2b42bc8970 (このIDを非表示/違反報告)
るん - 北ちゃんに頑張って〜〜〜!( ;;)って叫びたくなります!やばいです! (2017年7月31日 15時) (レス) id: 45505a7be4 (このIDを非表示/違反報告)
こなつん(プロフ) - 北人頑張って欲しい...笑 ちょう続き気になります!! (2017年7月31日 13時) (レス) id: 655343e3a2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーひ(プロフ) - 早く隼の所に行ってー!!!!!!笑笑 移行楽しみにしてます! (2017年7月31日 11時) (レス) id: d907920963 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れもん | 作成日時:2017年7月12日 0時

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