ありがちな恋愛Ⅳ (ページ35)

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035.置いていかれないようにページ35

ラウールside

学業と仕事の両立...できてるようでできてない
こんな時Aちゃんならどうしてたかな...
っていつまで僕はAちゃんのこと考えてるんだろう

勉強も手につかず事務所の誰も来ないところでしゃがみながら考えた

仕事に力を入れたら授業についていけないし
学校の課題に追われすぎてレッスンに集中できない

なんで要領悪いんだ...

「ラウール？」

こんな人が来ないようなとこにいるのは誰？

ラ「阿部...ちゃん」

亮「何してるの？」

ラ「なんでもない」

亮「ラウールがなんでここにいるか分かったと思う？滅多に人が通らないところに」

ラ「たまたま...？」

亮「さっきAが教えてくれたの」

どうやらAちゃんは僕がここにいること気付いてたみたい
それでメンバーである阿部ちゃんを呼んだらしい

亮「Aじゃなくてごめんね笑」

ラ「そんなことないよ」

亮「俺ってそんなに頼りないかな...？一応ラウールよりは人生経験積んでるつもりだけど」

阿部ちゃんになら話したいなって思える
だから悩みを打ち明けた
阿部ちゃんは勉強を優先して仕事を休業したし
なにかいい答えが見つかりそう

亮「高校生は大変だよね。当時俺はまだjr.でそんなに仕事もなかったから両立できたけどAがいい例だよ。スタイリストしながら学校通ってさ...鉄人かと思うよ。1日3時間も寝てない日が1週間以上あったんだから」

ラ「そんなに！？」

亮「そうだよ？そこまでしろなんて言わないけどそうやってまで好きなことに没頭する姿ってかっこよくない？俺はラウールに頭良くなれ、完璧なアイドルでいろなんて思わない。17歳の人間でいてほしい。勉強は俺が教えるし分かんない振りは照がいるし年上を頼りなさい」

ラ「阿部ちゃんありがとう」

『っぐすっ...(涙)』

ラ「誰！？」

『ごめん私...』

物音がして影から出てきたのはAちゃん

『ラウールがここにいるの見かけたんだけど仕事あるから構えなくて亮平にお願いしたの。ひと段落したから見にきたらラウールがこんなに悩んでるなんて思ってなくて...涙が溢れてきちゃった』

亮「え、全部聞いてた！？」

『私が鉄人なんて聞いてないからっ！』

ラ「がっつり聞いてんじゃん」

『ラウはラウらしくのびのびと生きなさい。悩みがあるなら8人のお兄ちゃんたちに打ち明けること！いい？』