76億分の1の君～2～ (ページ31)

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帰宅

忠義「...俺、Aちゃんがやりたい方に賛成やから」
貴「忠義くん...明日会社の方にも相談してみる。今日はもう寝よう？」
忠義「俺明日6時起きやねん。起こしてな？」
貴「はいはい。おやすみ」
忠義「おやすみ」

深夜2時

Instagram
『23年間の人生、平坦な道を歩いて来たなぁ。何かに躓いたこともなければ光ったこともない。それが1番の幸せだったのかも。』

忠義くんとお揃いのマグカップの写真を添えて投稿した

すぐに西野からのコメントが来た

『ちょっと！何したの！パジャマのままでいいから出てきて！』

2時を過ぎてるっていうのにもかかわらず西野からの呼び出し

忠義くんには申し訳ないけどベッドをそーっと抜けてパジャマから着替えて西野の元へ向かった

ピンポーン
「西野！Aだよ！」

ガチャ
「いらっしゃい。2時過ぎにウチくるなんて相変わらずフットワーク軽いね！」

「ごめんね。ありがとう」

何も言わなくても危機を感じたらいつも西野は話を聞いてくれることに感謝

「Aどうした～？いつもインスタになにかを載せることしないのに珍しいから心配したよ？喧嘩した？」

「ううん。あのね、、」

忠義くんのドラマの監督さんからお仕事のオファーがあったことを話した

「え！そんなことあるの！？A～究極の選択だよね！昔からの夢を叶えるか、やっと掴んだ今の仕事を選ぶか、、正直私はAが遠くに行ってしまうのがすごく悲しい。けど今のままだとAの可能性を見ることはできない。いつもみたいに一緒に仕事できなくなるのは悲しいけど私はAがどこにいっても器用に活躍できるって信じてるから広い世界に旅立ってほしい！まだ23歳だし！」

「西野、、(涙)」

「泣かないでよ～(涙) ほら～もらい泣きしちゃう」

「今まで積み上げてきたものを投げて一からやり直しできるかな。必死で入った今の会社に悔いしか残らない」

「前に言ってたじゃん。10代の頃は芸能人のメイクアップアーティストになりたかったって。その為に専門学校入って数々の賞をもらって海外研修まで行かせてもらったって。あの頑張りがあるから今があるんじゃん」

「西野よく覚えてるね。でもね、専門学校の2年間でアーティストにはなれないのを知ってブランドの販売員になろうって決めたけどなかなか受からなくて絶望してた時にやっと掴んだこの会社。絶対何があっても辞めないって思ったの」