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それから一寸して、服が届けられた。
中也さんに後ろを向いてもらい、運動着に着替える。


「もう大丈夫です。」

「…A、紐出てんぞ。」


そうニヤニヤしながら指摘され、
恥ずかしかったけれど、すぐ直した。


「そう言うのは、もっとこう…
馬鹿にしないで普通に言ってください。」

「怒ってんのか、短気だなァ。」


貴方に言われたくありません。
そう言いたかったけれど、収集がつかなさそうだから
黙って睨みつけた。

そんな私を見てまたニヤつかれたので
後で意地悪しようと思う。


「ッし、やるか。」


先ずは、腹筋、腕立て、背筋、スクワット50回ずつ、
らしい。私死ぬ気がします。
不平を漏らさぬように口を一文字に固く結び
黙って腹筋の体制に入った。

あ、そう言えば、と中也さんはまた怪しくニヤついた。
盛大に嫌な予感がするのは何故でしょうか。


「俺の異能紹介が未だだったなァ。」


そう言いつつ私の膝に手を添える中也さん。
その途端、私の足に重い何かが乗せられた。
重すぎて足が動かない。


「膝下、動かねェだろ。」

「な、何したんですか!」

「手前の膝下にかかる重力を大きくした。」


ポカンと中也さんを見つめる。
重力を、大きくした?


「俺の異能は、《汚れつちまつた悲しみに》。
触れたものの重力の大きさとベクトルを操る。」


…数学も物理も嫌いだ。
だからいまいち伝わってこなかったが、
取り敢えず強力そうな異能であることは伝わった。


「それで、私の膝下にかかる重力を大きくした?」

「部分の重力を操るのは難いんだぜ。」

「…へぇ、そうなんですね。」


鼻高らかに語る中也さんだったが、
正直言って早く解除してもらいたい。
不自由極まりない、余りに重過ぎる。


「腹筋、50回やったら解除してやる。
解除してもらいたかったら早くしろ。」


そう言われ、負けず嫌いが発動して
私は全力でやってやった。

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作者名:はるんぱ x他1人 | 作成日時:2017年6月25日 21時

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