真実はいつも残酷で【文スト】 (ページ2)

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Prologue /2 ページ2

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「…これは、一体どういうことだ。」

現場につくなり何なり、ものすごい異臭に襲われた。
全員死んでいた。
仲間打ちでもしたのか。

ある部隊が、取引現場に行ったきり、
連絡が突然途絶えたとの連絡があった。
そこに暇であった私の部隊が
駆り出されたわけだが…

いざ現場につくと、全員既に死んでいるではないか。

それに通行人と思われる人たちまで倒れていた。

これは軍警の来る前に立ち去るべきだな。
一応生存者がいないか確認しよう。

部下達に命令し、脈を取らせる。

「太宰さん、この娘、息があります。」

そう言った部下の指さす先に倒れていたのは、
高校生とも思われる程の歳の女。
どうやら、他の人間は死んでいるようだ。
…何故、彼女だけ。

「この娘を本部に連れていこう。
何か一枚噛んでいるかも知れないからね。」

何だか妙な予感がした。
彼女は何者なのか。

単に巻き込まれただけの不運な少女の
可能性も十分にある。
然し、私にはそうは思えなかった。

「それにしても、綺麗な娘だ。」

透明感のある肌、美しく流れ緩くウェーブの
かかった黒髪、目を閉じていても分かる
端正な顔立ち、口元の黒子。
長く細くて折れてしまいそうな手脚。

「早く起きないかな。」

久々に胸が躍る。楽しみだ。