World Wide Hamster

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アナウンスが流れ搭乗口に向かうと先に通されていく彼らの背中を見送ってから少しの時間を開け、私も機内に向かった
　


　
長いフライトだからと気疲れしないように1人席を取っておいたのに
　


　
同じ空間に彼がいると思うと意味がない
　


　
席まで案内してくれるCAさんの後ろで、また深いため息を吐いた
　


　
席に着くと早々にブランケットを頼み、彼を遮断するようにシェル型の個室のドアを閉めた
　


　
プライベートな空間でゆったりと寛いでいると、離陸のアナウンスが流れ、フワッと機体が浮いたのがわかる
　


　
最初は映画を見ようと思っていたけれど、彼の気配が気になってしまって集中できないから
　


　
もう寝てしまおうと思い座席をフラットにして携帯型の小さな枕にアイマスクを準備して
　


　
耳栓をしようと取り出した時、閉めたドアがコンコンとノックされた
　


　
ブランケットを持ってきてくれたCAさんかなと思い、何も思わずに開けるとそこにいたのはソクジンで…
　


　
JN「あれ、もう寝るの？」
　


　
『え、あ、うん…』
　


　
8年も話していなかったとは思えないくらい普通に話してくる彼に戸惑っていると
　


　
JN「ちょっと話したいんだけど」
　


　
そう言ってチラリとシートの中を見てくる彼の考えている事がわかった
　


　
フラットにしたシートを元に戻して私は椅子に、彼は足を乗せる収納箱に座った
　


　
ドアを閉めると2人きりの空間に緊張してきた
　


　
別れてから8年、もう会う事も話す事もないと思っていたのに
　


　
手を伸ばせば届いてしまう距離に彼はいる
　


　
隣に彼がいない事に折角慣れたのに……
　


　
　





　


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