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「今回のコンセプト、みんなに似合うなあ」
今日は新曲の撮影。
9ヶ月ぶりくらいにカムバ期を迎えようとしている彼ら。
じつは、私は今のところ活動停止。んー、なんていうんだろう。期間は決まってなくて無期限。
これも多分会社が世間の反応を気にして下した決定事項。それほど荒れていたからだろう。
気付いたら7人だけのフォーメーションが決まってたりして、びっくりしたけど。
「大ヒットしそうなんだけど？悔しいな〜」
もちろん、去年のも大ヒットしてたんだけど。
私も今回のコンセプトやってみたかった、なんて気持ちは "悔しい" のひとことを吐くだけで。
べつに、すっきりするわけではない。悔しさはずっと残るけど。
「こんなこと言ってられない、練習にも参加してないのに」
練習に参加できてない私は、復帰したときのために。と、みんなの姿を見ながら上半身だけでも、動かしてみる。
さすがに大事な撮影中に音を立てるわけにはいかない。
「っあー、ごめん。集中力切れてきた」
「一旦休憩しよう、ヘチャン。みんなも」
ヘチャンのミスが続いてしまい、マークオッパの言葉で一度ストップになった撮影。
「ねえA、ヘチャンのこと慰めてあげて」
「なんて言ってあげればいいんだろう」
「...分かんないよね、慰め方なんて。きっと届かないだろうしね、」
私の隣にきたジェノは、そう呟いてヘチャンを見つめる。
ジェノの言う通り、今のヘチャンには何を言っても届かないだろう。自分のミスを直すために集中しているヘチャンには。
「すみませんでした！イヘチャン準備できました！」
「よかった、ヘチャン自分で解決できたみたい」
「ヘチャン大変なのに、ほんっとうに頑張ってるなあ。マークオッパも」
「じゃあ、撮影行ってくるね」
「いってらっしゃい。ここでみんなのこと見てるから」
頭をぽんと撫でたジェノにそう伝えると、見ててねというような笑顔を見せて、戻って行った。
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作者名：キュ | 作成日時：2024年1月26日 23時
