これ以上、消えないで (ページ3)

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「疲れたなあ」

やっと今回の活動も終わった私は、ベッドに身を投げ出す。

みんなみたいに男性の体を持ち合わせていない私には、かなりきついこの仕事。

良いことばかりではなくて、逆に辛いことを思い出してしまうほどの仕事。

後悔ではない。きっとこれが私の人生なんだと、もう分かっていた。

私は7人に追いつくのに1年かかってしまった。

" 今はこうなってるけど、きっとみんなわかってくれる。 "

その言葉を信じて、誰よりも努力してきたのに。

事務所の先輩からすらも向けられる、同情したような目。

とまらないSNSの悪質な書き込み。

性別を理由に、妥協されてしまう現実。

私は、体力的にも、精神的にも、疲れていた。

でも、やっと一瞬だけ休憩できる日が来た。

きっとこれは私にとってチャンスの時間だろう。

「っはぁ〜....」

頭に残ってしまった、悪意のある言葉を掻き消すようにシャワーを浴びる。

まあこんなことしたって消えないんだけどね。という気持ちも一緒に流してしまいたい。

「みんなにメッセージ送って、寝よう」

" みんな今回の活動もお疲れ様！DREAM、これからもファイティン！大好きだよ "

ハートのスタンプとともに送ったメッセージにはすぐ既読がつく。きっとジェミンあたりだろう。

返信を待つよりも早く寝たい私は、携帯をベッドの横に置き、いつもとはまた違う匂いのお香を焚く。

ドアを閉め、電気を消しベッドの中に入ると、

やっと休憩できる

そんな思いとともに、また、ロンジュンの言葉を思い出して、すぐ眠りについた。