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「あっというまに夏だねぇ〜あっというまに新曲も出しちゃってさぁ〜あっというまにツアーも始まっちゃうよぉ〜」
6月末、完全な夏とは言い難いがジメジメしつつも日差しが良く差すこの時期。
ジェミンはAに喋りかける。
「一緒にツアーしたかったよな〜」
「もうすぐで最後の曲から1年経つなんてね」
「ほんと、嫌でも時は過ぎ去ってくもんだよ」
続いてヘチャン、ジェノ、ロンジュンとAの
「またコンゴンズに囲まれちゃって、拷問でも受けてるみたいでヌナ可哀想〜」
「言ってる言葉はいい言葉ばっかりなんだけどな、雰囲気がもう拷問だよ」
それを眺めるチョンロとマークは笑いながらその光景を見ていた。
「ヌナ、これ好きだったよね？置いとくね」
自販機から戻ってきたチソンは、片手に持っていたホットチョコレートの缶を置く。
「げ、チソン。お前今夏だぞ？」
「てかまだ自販機にホットなんてあんの？すごいな」
「たしかに、もう夏だけど。ヌナはいつもこれ飲んでたイメージだから」
チソンのその発言に、この季節のAを思い返すメンバーは納得がいってしまった。
「でもまあ、この季節、暑いことには変わりないもん。この扇風機Aのそばに置いてあげよ」
「なんかせっかくだしアイスとかも買ってこようかな」
「ポテトチップスとかも、案外好きだったよね」
「いやそんなんAの口の中混雑しすぎでしょ」
Aの前からチソンが離れると、また拷問のような体制で会話が弾む4人。
それを笑いながら見たチソンは、イヤホンをしてお気に入りのたったひとつの曲を流した。
ひときわ 濃くて、長い夜
耐えていた、ある日
涙を我慢出来ずに、ふと、顔を上げたら
きらめく星を辿って
また帰ってくる道を見つけられるはずだよ
決してさよならなんかじゃないから
大好きな曲が大好きな彼女の声で再生された。
これ以上、この世界から、みんなの記憶から、彼女が忘れ去られないように。
おわり
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作者名：キュ | 作成日時：2024年1月26日 23時
