陰キャ生活を送りたかった。 (ページ25)

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#23　仲直り…?2 ページ25

空き教室に二人で入る。

放置されている机の埃を払って、腰かける。

恋条は遠慮しているのか、立ったままだ。

『…それで、何の話?』

恋条は俯いていた顔をあげ、私をまっすぐ見て、

re「ごめんなさい!!」

頭をばっと下げて、謝ってきた。

re「今まで…、白野江さんにたくさんの迷惑をかけて、
　本当にごめんなさい。
　あの時、あなたに怒られてからずっと考えてたんです」

『…あの時?』

re「…白野江さんを追いかけた時のことです」

ああ、あの時か。

…そうか。説教したあの日から反省してたんだな。

先輩達が絡んできたのも、恋条が仕向けたことではなく、
あの人達自身が、恋条を心配に思って私を問い詰めたんだ。

『…恋条さん、恵まれてるね』

re「え…?どこが…?」

『え?だって、恋条さんのために、コネシマ先輩とシャオロン先輩、
　私に問い詰めてきたんだよ?…もしかして知らなかった?』

re「えっ」

私が先輩二人に絡まれた日について話していくと、
どんどん恋条は青ざめていった。

re「…知らなかった…。考え事してたから…、
　周りを見る余裕もなくって…」

『知らなかったんか～。…でも、恋条さん良かったじゃん。
　優しい先輩いてさ』

re「……」

…あれ、黙っちゃった。え、私変なこと言った??

しばらくして、恋条は困った顔をして、

re「…実は私…、生徒会やめるの」

『えっ!?なんで?』

思いがけないことを言った。

re「私が生徒会に入った理由、愛されたかっただけだし…。
　単なる私の我儘だから。もう自分のことも嫌になってきちゃって」

『………』

re「だから、生徒会長に言って、やめさせてもらったんだ」

あんなにしつこく絡んでいた生徒会を、自分の意思でやめた。

…それはかなり勇気がいる。けど…、

『ホントに、やめて良かったの?』

re「…確かに不安だった。まわりの目とか。
　でも…、それは、私への罰なんだと思ったら、全然いい。
　私の我儘で皆を振り回してたから」

『そっ…か』

…恋条は、絶対に悪い子じゃなかったんだ。

私の中で、恋条への怒りがすうっとどこかへ消えていく。

re「それで…、白野江さん…、」

『…うん、何?』

re「今までのこと、許してなんて言わないけど…」

『仲直りしたい、…でしょ?…いいよ。
　てか私の方からお願いしたい』
　
re「!、ホント…?」

『うん、恋条が全部話してくれたから、いいよ』

微笑むと、恋条は震えた声で、ありがとうと呟いた。

───
もじす。