柱 ページ50
「ッ……!?」
一歩、前に出た瞬間に柱の視線が一斉にマールドに向く。
彼らは信じられないといった様子ですぐに口を開いた。
「おっ……お館様!? 正気かァ!?」
「本当に鬼の力借りたのかよ!?」
「おいちょっと待てコイツド派手に見たことあるぞ、お前この前遊郭見て吐きかけてた鬼だろ!?」
「……信用、したくないが……やりかねん……」
「まぁるどさんすっごいわ!」
「む!?」
「……何か、違う……?」
多くは当然否定的な声を上げるものの、伊黒は頭を抱え、甘露寺は逆に瞳を輝かせる。
特段髪の派手な炎のような男が驚いたように声を上げるが、耀哉がそれを制止した。
「彼……マールドとはカナエが一番関わりが深いはずだからね。説明を」
「はい。」
「……またか……」
カナエは再び口を開く。
二年前の夜明けに、天高く立ち上る火柱を見、叫ぶ声が聞こえた。
十二鬼月でも出たのかと見に行けば、そこには緑髪の鬼が一人眠るように気絶していたこと。
彼を洞窟に運び込み、最終選抜用の鬼として捕えようとしたところ、数刻後に目覚めては自分を襲わず、むしろ血鬼術を用いて自分との間に仕切りを作り、着替え始めたこと。
その時から既に明確に自我を持っており、また「鬼舞辻無惨」と呼んでも死ななかったこと、そして。
「それからむしろ……彼は鬼舞辻無惨のことを……く、「クソワカメ」……などと呼んでおり……」
「ンブッ」
「ブホッ」
「よもや!」
堪え切れなかった甘露寺が噴き出す。
つられるようにあの音柱も噴き出した。
そしてそこから別れた際、太陽に当たっても死ななかったこと。
それから二年後の先日、童磨と交戦した際に唐突に現れ、圧倒的な炎と稲妻の血鬼術を以てして童磨を圧倒し、撤退させたこと。
「彼は私のこの呪いも随分弱めてくれた。鬼殺隊にとって、彼は無惨を倒す上で欠かせない戦力になるだろう。
だから、マールド。君には鬼柱として、最後の柱になってくれないかな?」
「……はっ……?」
「「「「「「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」」」」」」
マールドを含む、この場の殆どの声がシンクロして産屋敷邸全体に響き渡ったのだった。
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アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2023年6月25日 8時