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血戦 ページ43

マールドが飛び出す。
血鬼術で己の身を包みながらもしっかりと童磨を視界に入れて突っ込む。

「やっぱり随分速い。じゃないと俺の背後から一瞬で襲えないもんね」

童磨は冷静に扇子を振るう。
ただの扇子と侮るなかれ、彼の持つそれは刀すら切り裂けるポテンシャルを持つ途方もなく鋭い刃なのだから。

(まずは目からかな)

横薙ぎ、一閃。
マールドの両目を正確に捉えた刃は、しかし空を切る結果に終わる。

「血鬼術ってのは便利だな、やろうと思ってたことが色々再現できちまう」
「!?」

声が聞こえたのは背後。
振り返る間もなくマールドの蹴りが後頭部にもろに入る。

「くっ……!」

(蜃気楼……! 本人の素質からして決して使えてもおかしくはないが……
けれどここまで精度が高いのは珍しいな。全く気づけなかったよ。)

即座にその正体を分析する童磨。
そうする間にもマールドは稲妻を構える。

(それでいてこいつ……随分戦闘に慣れてる。
戦うときの躊躇だとか、迷いだとかが一切ない。
純粋に実力と応用力だけでここまで生きてきている猗窩座殿や黒死牟殿と似た系統……!)

ならばと童磨は次の手を繰り出す。

血鬼術 寒烈の白姫

二体の女の氷像が現れたかと思えばその口から極寒の猛吹雪を噴き出してくる。
繊細で穏やかな姿とは裏腹にその勢いと物量は目を見張るものがある。

だが。

血鬼術 正義・雷轟電撃
血鬼術 決意・気炎万丈

マールドの右手からは稲妻が、左手からは炎が溢れ出し、戦場を凄まじい勢いで埋め尽くしていく。

(凄い範囲だ……これじゃあまるで)

童磨の放った冷気を焼き切り押し返し、電撃と残り火の弾けるフィールドが完成する。

(俺の技が盗まれたみたいじゃないか)

童磨が得意とする呼吸使い殺しの血鬼術。
今行ったのはその模倣に過ぎない。

しかし、それは確かに童磨に対して鋭い牙を剝いていた。

「困ったなぁ、全身が焼け付くように痛いや」
「の割には随分と落ち着いてるようだが……いや、パニックになれるだけの頭も心も持ち合わせてないアンタにゃ酷だったか」
「言うねー」

笑顔を崩さずにまた血鬼術を構える童磨。
しかしマールドもまた随分と余裕を残していた。

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設定タグ:UNDERTALE , 鬼滅の刃 , クロスオーバー   
作品ジャンル:ファンタジー
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アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/  
作成日時:2023年6月25日 8時

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