守護者への訪問 ページ5
「えーと……ここ、でしたかね?」
次に訪れたのは、よくわからない真っ白な空間。
いつもよく見る光景だ。
「あれっ、お客さんかな?」
「わっ……あ、どうも……」
いきなり現れ気さくに話し掛けてきたのは、大きな筆を背負いパーカーを腰に巻いたサンズ。
彼は所謂インクサンズ、
「どうしたのかな? えーと……オシストだっけ?」
「あ、はい。実はマールドさんのことで……」
再び事情を説明する。
何か情報が得られれば良いのだが……
「……えっ、マールドが消えたの?」
「はい……残念ながら」
「嘘……初めて聞いた」
「あぁ……」
どうやら彼も情報は持っていないらしい。
「いや、そっちの世界に何か異常が起きてたのは分かってたんだけど、割と結構よくあることだったから放置してた……」
「それでいいんですか」
「たぶんよくないね」
「えぇ……ってそうじゃなくて!」
頭の痛くなる会話を切り上げ、改めて本題に話を戻す。
「何かわかりませんか……?」
「ん、待ってて……」
その袖に何かを書き込み、インクが一旦姿を消す。
少しして帰ってきたが、その顔は浮かなかった。
「うーん、ざっとAUを見てきたんだけど……どこにも見つからないね」
「そうですか……」
「ひょっとして、AUじゃないところにいるのかも……?」
「……はい、わかりました。ありがとうございます」
「ん、全然。むしろちょっと謝りたいかもね……」
「あはは……」
ここにも手がかりはない。
その空間を後にし、オシストは考える。
AUでなく、アパートの住民も知らない。
となれば相当この世界から遠い場所にマールドは飛んでしまったのではないか?
「……決意を固めましょう。例え何年掛けても、貴方を見つけ出してみせます……!」
一人その胸に決意を抱く。
やるしかないと己を奮い立たせ、改めて探索に漕ぎ出すのであった。
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アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2023年6月25日 8時