【クロスオーバー】失われし決意を探して【アンテ×鬼滅の刃】 (ページ40)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:3,026 hit

稽古？ページ40

｢……え、は？｣
｢……うん、まぁ……そうなるよな……｣

未だに状況を理解できていないらしい玄弥に、マールドは仕方ないとはいえ頭に手を当てる。

……が。

｢……で、でも……お前、鬼、だろ……！｣
｢……まぁ、そうなるわな｣

混乱しつつも刀を構え、切りかかってきた玄弥をナイフ一本で軽くいなす。

｢……どうせなら、このまま教えるか｣
｢はぁ!?｣

太刀筋の修正、まずはそこからだ。

｢はい、もっと腰入れろ。剣は腕じゃねぇ、身体全体で振るんだ｣
｢え、あ、こ、こう、か？｣
｢そうだ｣

剣の振り方、足の踏み込み方、目線、エトセトラ。

基礎的な剣術はある程度叩き込む。

｢ほれ、やってみな｣
｢ッ、はぁッ！｣

最初よりも格段に鋭い一撃。
それは同じようにナイフに阻まれるものの、マールドの手には確かな手応えがあった。

｢っと、そうだ｣
｢……何で俺鬼に指導されてるんだ……｣
｢僕がやりたいからやってるんだよ……んで、次は魔法だな｣

魔法、そう聞くたびに玄弥は怪訝そうな表情をする。

｢まぁ魔法ってのは……才能さえあれば誰でも使える血鬼術……みたいなもんか｣
｢いや普通に怪しいんだが？｣
｢まー見てろって｣

そう言うとマールドは右手を上に向け、小さな炎を生み出す。

｢……いや血鬼術じゃね？｣
｢そう言うと思ったわ……ってか魔法と血鬼術の性質が色々似すぎててて合併されてんだよなぁ……｣
｢えぇ……｣

それはそうとマールドは魔法の説明をしだす。

｢魔法ってのはまぁ……自分の想像、憧れ、趣味、あるいは思い出の具現化｣
｢？｣
｢要はあぁしたいとかこうしたいとか……例えば僕だったら弓道やってたから弓の印象が強いんだよな｣
｢な、なるほど……？｣

玄弥のイメージが何なのかは知らない、すぐにできるとも思わない。

｢ま、焦らずにやりゃいいさ、魔法はとにかく応用が利く、あって困ることはほぼないさ｣
｢お、おう……｣
｢んじゃ、帰るわ｣
｢あ、お、おう……｣

終始引きっぱなしの玄弥を置いて、マールドは日の出と共に姿を消す。

やれることはできる限りのやる、それがマールドなのだ。