【クロスオーバー】失われし決意を探して【アンテ×鬼滅の刃】 (ページ23)

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柱ページ23

純粋で朗らかな笑み、しかしその裏体勢はいつでも飛び退き刀を抜けるようさりげなく構えられている。

｢……んで、まぁアンタからはただ者じゃない雰囲気が見て取れるんだが……｣
｢……そうね、私は鬼殺隊の中でも指折りの強者、柱の一角を担っているのよ｣
｢組織の幹部みたいなもんか｣
｢まあ、その解釈で間違ってないとは思うわ｣

成程、とマールドは納得したところで、先程からの疑問をぶつけた。

｢なら何で僕を殺さないんだ？鬼を狩る組織、その中でもトップクラスの奴が鬼を殺さず生かすのは問題じゃ……｣
｢そういうことを言ってる時点で貴方はそんなことしないでしょう？｣
｢……まぁ、そうだけどな……｣

マールドの言葉を遮り、笑顔を向けるカナエは、すぐに目を輝かせてマールドを見た。

｢私の個人的な考えなのだけれど……人を食らう鬼の中には、人を食べず襲わない、優しい鬼がいるって信じてるの｣
｢ほー……｣
｢それでね、私の夢はそういう鬼と友達になることなの｣

屈託のない表情でそう言いのけてみせる姿に、一人の女の子の姿が重なる。

｢……随分優しいんだな｣

それはカナエへか、それとも遠く離れてしまった彼女に向けられたものなのかはわからない。

｢……まぁ、私が異端児なのはわかってるのだけれどね｣
｢お互いにな｣

まあやはりと言うべきか、鬼はほぼ全ての者悪であり、狩ることは普通であると考えているだろう。

確かに、今この場に居合わせる二人の存在は、この世界にとっては異常そのもの。
しかし、だからこそ。

｢……そーゆーことならまあ……僕は構わんが｣
｢本当!? ふふっ、やったぁ、夢が叶った～！｣

無邪気に微笑む彼女が、ますますあの天使のような少女に重なる。

しかし、マールドの表情は浮かなかった。