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あの日の悲劇 ページ14

時は二年前のあの日に遡る。

一人部屋に閉じ込められたマールド。
感覚で子供が着地したのを確認するために魔力を広げる。

が、その間マールド自身を守るものはない。

次々と落下してくる瓦礫、崩れ行く足場。

やがてマールドの身体は重力に引かれ落下し始めた。

「……よし」

あいつは無事だ。
その事実を確認し、傷だらけの身体にバリアを展開する。

ひとまずはこれで助かるだろう、と息を吐きながら自由落下していく。

あまり見えないがそろそろ地面に着くだろう……

そう考えた瞬間だった。

べんっ

「ん……?」

衝撃は、来なかった。

明らかに地面に着いた筈なのに、更に奥へと落ちていくような……

「……!? なんっ……!?」

刹那、周囲が変化する。

一変して禍々しい木彫の、大量の引き戸に囲まれた空間。
それが襖であると認識するまでにはそう時間はかからなかった。

態勢をなんとか整え着地する。

「っ、どこだ……?」

周囲を見回す。
ぐちゃぐちゃな内装で、まるでどこが上でどこが下なのかわかりにくい。

「……!」

刹那マールドは飛び退いた。
視界の端、己を狙う刃に気づいたからである。

「……何故ここに辿り着いた? 人間……しかも鬼殺隊の剣士でもないように見える……」

それは漆黒の六目を持つ巨大な化物。
禍々しい刀のような何かを構えるその瞳には、「上弦」「壱」と刻まれていた。

「っ、ここの住人か? 随分手荒な歓迎だな」
「勝手に入ってきておいて……しかし、お前は……相当な手練れと見える」
「はん、そりゃどうも……」
「だからこそ殺す……あのお方の為にも」

刀を構えたそれは、独特な音を立て息を吐く。

マールドが目を見開いた瞬間。

月の呼吸 壱ノ型 闇月・宵の宮

振り払われた太刀筋から月を模した追加の斬撃がマールドを襲う。

「くっ……!」

咄嗟に炎をぶつけて月を相殺しながら、ナイフを抜いて打ち合わせる。

「何……? 人の身にして呼吸ではなく血鬼術に近い能力を駆使すると言うのか……?」
「血鬼術が何かはわからんが……魔法みたいなもんか」

血鬼術、呼吸。
先ほどの攻撃から、前者は恐らく魔法に近い能力であり、後者は剣術のようなものなのだろうか。

「……取り敢えず、なんとかしないとだな……」

正直、この怪我まみれの身体で勝てるかはわからないが……それでも、生き残らなければ。

百鬼夜行→←※ここまでプロローグ



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設定タグ:UNDERTALE , 鬼滅の刃 , クロスオーバー   
作品ジャンル:ファンタジー
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アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/  
作成日時:2023年6月25日 8時

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