襲撃 ページ11
しかし、だからと言ってそう簡単には見つからない。
気付けばすっかり日も沈み、静かな夜が訪れていた。
「ふぅ……ふぅ……魔力を使いすぎましたかね……やはり無理が祟りましたか……」
現段階ではオシストの魔力は消耗したまま回復していない。
むしろその状態で探知と飛行を続けていたのだから、魔力に限界が来るのも無理はないことだった。
「くぅっ……なんとか……ッ!?」
それでも必死に食らい付こうと前を向いた刹那、オシストはその場から飛び退いた。
「殺気っ……!」
一瞬後に振るわれた何かの轟音が風を切り裂き、やがてその正体を見せた。
「人間……それも女か……クヒヒ、いい飯にありつけた……」
「っ、人間、じゃないっ……!」
オシストを見て舌なめずりをするそれは見るからに身体が歪に盛り上がっており、更にはその爪は長く犬歯も非常に伸びている。
それが人ならざる怪物であることは用意に気付けた。
「俺が喰ってやるからよ……へへ、じっとしてな……」
「嫌、です……!」
震える身体で杖を構え、なけなしの身体強化を掛ける。
これでも時々襲ってきた魔物を退けたりしているのだ。
「しゃァッ!」
「っ! ふうっ……!」
飛びかかり爪を振るったそれに、大きく飛び退いて回避する。
今のオシストには有効な攻撃手段がろくにない。
唯一使えるのが杖での打撃か、組みついての投げ程度である。
「……あれを、やるしか……!」
今まで、限界に近い時に発動してきた新たな魔法。
オシスト唯一の攻撃魔法。
「貰ったぁっ!」
飛び込みその首に牙を立てようとしてくる。
決意を固め息を吐き、その魔法を詠唱する。
「……“
その瞳に、魂に、己の中の
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アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/
作成日時:2023年6月25日 8時