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決意 ページ2

「……僕が進路を開く、その隙に走れ」
「え……でも……!」
「僕を誰だと思ってる」

不安そうに見上げる少年に、ニカッと笑ってみせる。

マールドは強い。
他の人物やモンスター(計二名除く)の追従を許さずトップを独走する程の実力があるのだ。

それは子供でもよく理解している。

「っ……」
「いいか? 今度から身の危険を感じたら真っ先に逃げるんだ」
「……わかった」
「……時間はない、早く行くぞ」
「……うん」

瓦礫の山を睨み付け、少年がマールドのバリアに身を預け走り出す。

「ふぅ……」

この状況で最も破壊力がある魔法は、闇を纏った弓矢。

一撃で決めなければ、彼の命はない。

「……ふぅー……」

長い長い息を吐き、極限まで集中する。

「……ここだ」

子供が障害の目の前に到達した瞬間、その指を弦から離した。

刹那黒の線が残像を引き、瓦礫を粉砕して明るい光を呼び込む。

「行け!」
「っ、うあああああっ!」

勢いそのまま外に飛び出した彼の身体はやがて勢いを失い、無事に地面に着地する。

……が。

「……さて、と」

今の衝撃で、マールドの周囲に大量の瓦礫が落ちてくる。

「……アイツは無事、か」

足場も倒壊し、重力に引かれ瓦礫の雨に押されて落ちていく。

━━━━━━━━━━

「大丈夫ですか!?」
「はぁっ、はぁっ、怖かった……」

死の恐怖から解放され、安堵の息を吐くモンスターキッド。

だが、オシストはそれよりも大きな気がかりがあった。

マールドが、戻ってこない。

「……マールド、さん……っ!?」

刹那、マンションの全体にヒビが入り、凄まじい速度で崩壊していく。

「っ、そんなっ……! マールドさんっ!」

咄嗟に駆け出すも、間に合わない。

オシストの目の前で、立派なマンションは未だ火の消えない瓦礫の塊と化した。

「マールドさんっ、マールド……さん……」

気配を探る。

マールドの魔法の痕跡はある。

魔法の残滓も残っており、そこにマールドがいたのは間違いない。

だが。

「どこに、っいるんですか……!」

涙混じりに必死に捜索しても、その姿は見当たらない。

……オシストに残されたのは、脱ぎ捨てられたボロボロの黒いパーカー、ただ一つだけであった。

捜索→←悲劇の始まり



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設定タグ:UNDERTALE , 鬼滅の刃 , クロスオーバー   
作品ジャンル:ファンタジー
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アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/  
作成日時:2023年6月25日 8時

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