検索窓
今日:29 hit、昨日:2 hit、合計:3,055 hit

悲劇の始まり ページ1

それは、突然だった。

普段と変わらぬ朝、普段通り仕事に向かうマールドとオシストの耳に、何やらざわめきが届く。

「火事だぁっ!」
「……!」

咄嗟にその方向を向けば、一件のマンションの一階とから8階から出火しているではないか。
しかもかなり火は燃え広がっており、人々はパニックに陥っている。

そして何より、

「オシスト」
「はい……!」
「……あいつ(モンスターキッド)が危ない」

子供のモンスターが、そこにいる。

目を合わせ、即座に飛び出した。

マールドは足元にバリアを生成し、宙を蹴って空を駆け抜ける。
オシストは己の魔力で高速飛行し、マンションへ一直線に向かう。

みるみるうちに距離は縮まり、二人の身体に激しい熱気が襲いかかる。

「っ、オシスト! 避難が間に合っていない人数は!?」
「待ってください……!」

オシストの能力で中にいる者を探る。
その瞬間、オシストが目を見開く。

「……粗方避難は出来ていますが……! あの子一人だけが……!」
「ッ、くそっ!」

子供がいるのは5階の一室。
何度か訪れたことはある。

近づく度に熱は質量を増すが、そんなことに構っている暇はない。

パーカーを脱ぎ捨て、割れた窓から中に入る。

「あ……ま、マールド……!」

腰を抜かし怯える彼は、しかしマールドの姿を認めた瞬間安堵の息を漏らす。

「大丈夫か?」
「っ、足が……」

足に火傷を負っている。

子供にバリアを纏わせ、己の身が焼けていくのも介せず思考を高速で巡らせる。

「とにかく……下に……は降りられないんだったな」

運の悪いことに、足元からも出火している。
逃げ場はベランダしかない。

「動けるか?」
「なんとか……」
「……オシストが下にいる、信じて飛び降りろ!」
「えっ……!?」

まだ幼い少年に出すにはあまりに惨すぎる指示だが、助かるにはそれしかない。

「っ……でも……」
「信じてくれ」
「っ……」

暫く恐怖に身体を震わせていたが、なんとか決意を決めたのかマールドをまっすぐな目線で見つめる。

「わかった……オレ、頑張る……!」
「よし……!?」

だが、現実はそう簡単には行かない。

熱で脆くなった天井から瓦礫が次々落下し、窓が塞がれた。

「そんな……!」

絶望の声を聞き、マールドは一つ深呼吸した。

決意→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
設定タグ:UNDERTALE , 鬼滅の刃 , クロスオーバー   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アスナ(復活)(プロフ) - 作品見ました!すごい面白くて引き込まれちゃいました! 更新頑張って下さい! (12月10日 11時) (レス) @page41 id: bbcff10712 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:クロロフィル@深緑の指揮者 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ugt8ragist4/  
作成日時:2023年6月25日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。