最終話はこうなるはずだった-1 ページ31
*
「……長くお話しちゃいましたね」
そう言って、三毛縞Aは一口コーヒーを啜った。あんずも、自分のコーヒーを啜る。アイスコーヒーは氷が溶けて、ぬるくなっていた。
「ええと、つまり……Aちゃんは名字の通り、本当に斑さんの妹さんで、個人的に色々としがらみがあるんだね」
「そういうことです」
Aが小さく笑った。理解が早くて助かります、流石は敏腕プロデューサー、そんな風に彼女の目が言っていた。
「これからどうするかは、私もあまり決めていません。けれど、私は今の兄を見てしまっています。この地に連綿と続き、守られてきた宗教を壊し、家から勘当された私の大切な兄を」
Aは呟くように言った。カフェの静かながらに存在する喧噪が、その声をあんずにのみ届けていた。
「あんず先輩、先輩は昨年度から兄のことを見てくださっていますし、今もDouble Faceのプロデュースに全面的に関わってくださっていると聞いています。兄のことを、今後もお願いしてもよろしいでしょうか……？よろしくと、言ってしまっても……？」
「もちろん。斑さんはアイドルだし、私はプロデューサーだから」
あんずは言い切った。Aは少し複雑そうな表情をし、「そうですか」と頷いた。
「……もしかすると、私は夢ノ咲学院を退学するかもしれません。私は兄のいる世界を知りたかった。夢ノ咲学院を受けたこと自体は成り行きですが、知りたくて追いかけて、プロデュース科を選んだ。アイドルに近い場所で、アイドルの役に立って、そうしたら兄の憧れる世界を知れると思ったから」
Aの声は、今や消え入るようだった。あんずは、その声を聞き漏らすまいと思った。可愛い後輩の、小さな小さな悲鳴のようにも聞こえたから。
「兄の正義は彼だけのものですし、彼は彼で法に従って生きる人間ではありません。なのに今の彼は後ろ盾がいない。そして我が家の跡継ぎは兄でなければ私しかいない。私は自分で言うのも何ですが、小知恵くらいは利きます。けれどそれだけです。兄ほどの力も、能力もない。ましてや、表と裏の顔を使い分けられるほど器用でもない」
「……」
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Chris(プロフ) - 冬枯さん» 元々あんスタ知ったこと自体ツキウタ。がきっかけで、あんスタ→ツキウタ。→あんスタ(今)みたいな感じなんです。製本も、とりあえず自分用に作ってみて、満足行く出来なら頒布に出そうかな、くらいなので本当におかまいなく……>< Musicの星5千秋は大変でした^^; (2021年1月10日 11時) (
レス) id: 313ba381d4 (このIDを非表示/違反報告)
冬枯(プロフ) - 本欲しい…でも無理そう…面目ない… 主さんツキウタ。ご存知だったんですね！まだツキアニ。2を見た程度で何も知りませんが少しずつ知る予定です。☆5千秋おめでとうございます！更新しつつはヤバいっすね…！これからも応援してます！ (2021年1月9日 14時) (レス) id: ec10afebdf (このIDを非表示/違反報告)
Chris(プロフ) - 冬枯さん» いつもコメントありがとうございます！そうなんです、プロ科の1年生です。本編ではつぼみまでの成長で、開花まではしませんが、いろんなアイドルたちと関わる中で成長していく主人公を描き出せればと思います。 (2020年12月31日 17時) (レス) id: 313ba381d4 (このIDを非表示/違反報告)
冬枯(プロフ) - 続編ありがとうございます！！主人公ちゃんは正式に作られるプロ科の1年生か！！あんずちゃんなどの力を借りて成長していくんですかね…？その前に何かありそうな気もします…読めば読むほどお話に引き込まれる感じがします！これからも更新楽しみにしてます！ (2020年12月31日 15時) (レス) id: ec10afebdf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Chris | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chrisinfo/
作成日時：2020年12月17日 23時
