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狂愛 滅&迅 ページ6

「Aさん、それ無理して今日中に終わらせなくても良いと思いますよ。ほら、きっと部長も明日には頭冷えてると思いますし。」

僕はそうエナジードリンクを片手にパソコンを睨んでいるAさんに言う。
Aさんは僕より1年先輩の女性。そして、憧れ……いや、好きな人だ。あくまで片思いだが。

僕らの勤める飛電インテリジェンスは、ヒューマギアという人型ロボットで大成功を収めた会社で、自社ビルもとても大きく、かなりの社員数を誇る。

そんな中でAさんは他部署まで顔が広く、仕事もバリバリとこなしていき、それなのに明るく人に話しかけるのだから、虜にならない人はいない状態だった。

「ありがと。でも、部長の言ったことも間違ってるとは言い切れないし……まだ頑張るよ。」

そんなAさんにも敵はいて、部長はAさんの事をよく思ってないらしい。
しかも最近は社長が変わったり、ヒューマギアが人を襲い始める事件があったりと何かと大変で……つまりは、仕事の量が半端じゃなかったのだ。

そのことにブチ切れ、何故かAさんに八つ当たりしたのが件の部長。

そしてよくわからない理由で仕事を増やされ、Aさんはこんな遅くまで残っているのだ。
Aさんの責任感の強さにも、部長の性格にも、困ったものだ。

「はい、先輩とのお喋りはここまでにして、後輩君は帰ること!若手のうちは早めに家に帰って寝なさい!そして明日からも頑張ろう!」

おー、とAさんは拳を上にあげて笑う。
先輩にここまで言われたら帰るしかないので、僕は鞄にものを詰め込み、デスクから立ち上がる。

「じゃあ、また明日ね〜。」

早く帰りなさい、と言わんばかりに手を振るAさん。僕は苦笑いしつつも、今日もAさんのおかげで楽しかったな。なんて考えながらその場をあとにした。




明日、なんて来ないことを知らず。



今思えばあの時嫌われてでも送っていけば良かったんだ。

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ツキノワ。(プロフ) - るしゐさん» 返信が遅くなり申し訳ありません! 一般人視点、書くのは楽しかったのですが読んで下さる方がいるのかなぁと思っていたので嬉しいです。ありがとうございます! (4月9日 18時) (レス) @page49 id: e6cc4ca720 (このIDを非表示/違反報告)
るしゐ - こんにちは〜!時差コメですみません…。ツキノワ。様の小説大好きです!!一般人視点、新しくて好きです〜!素敵な小説ありがとうございました! (2月11日 9時) (レス) id: 3376040ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ツキノワ。(プロフ) - アイレさん» こんなに古い作品にコメントありがとうございます!読んでくださるだけでも嬉しいのに、コメントまでくださるなんて嬉しすぎます〜! (12月29日 23時) (レス) id: e6cc4ca720 (このIDを非表示/違反報告)
アイレ - え……まさかのパラドがいる!!え…めっちゃ新しい視点で物語読むの想像してた以上に楽しい……素敵な作品ありがとうございます!(*‘ω‘ *) (12月29日 19時) (レス) @page47 id: 2f4437d82e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツキノワ。 | 作成日時:2019年11月12日 21時

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