貴方と共に。一般人視点。【特撮短編集】

別れ 常磐ソウゴ ページ45

初めて出会ったのは入学式。
でも、こんなにちゃんと話すようになったのは1年の秋くらいから。なんてことは無い。同じ班になって、そこから仲良くなった。

始まりがぬるっとだったから、入学式の時の私は信じないだろう。Aとかけがえの無い友達になるよ、なんて。

3年間同じクラス。
いつの間にか、高校で1番仲良くなったと言われたらAとしか言えないほど。仲良くなった。

そんなAが恋をしたのは、3年になってから。
相手があの常磐ソウゴだと言われた時は、本当に驚いた。いやだって、あの王様王様言ってる人だよ？

けど、Aはネガティブな時がある。


そもそも、好きになった時も「告白はしないかな」と笑って言っていて。いやいや、確かに受験はあるけど卒業式にでも言えば良いじゃん。って思った。

しかも、その割には普通に話すし。
なんなら常磐ソウゴの家まで行ってるし。

「なんかね、変なんだよねぇ」
「いると、落ち着くんだよ」

「友達のうぉずさん？ に会ったよ」
「わかんないけど、知り合いだったかな……？」
「驚かれたの」

「王様っていうのも、否定とか肯定じゃなくて」
「ん〜、変なのは分かってるんだけど」

「常磐ソウゴ君の王道を、近くで見れたらなぁって」

本当に、変な催眠術にでもかかったんじゃないかと思った。なにそれ。そんな理由……とは思うけど、話してる時のAがなんだか泣きそうな笑顔で、本当に好きなんだなぁって。

なのに。

夢のために、大学受験頑張って。
一人暮らしの距離だけど、合格して、

なんでそんな嬉しいことのために、これを諦めるのよ。おかしいよ。


女子ってめんどくさい。
なんか、Aが取られるって思っちゃう。
彼氏が出来ることが羨ましいじゃなくて、Aの時間を取れちゃう彼氏が羨ましい。

でも、やっぱり大切な友達だから。
私は叫ぶのだ。

「頑張れ！」

常磐ソウゴ！
私のAを泣かしたら、絶対許さない！

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