雨の日 立風館ソウジ ページ3
表は大学生、裏は絵師、その名もただのオタク。どうもモブです。雨の日って気分がどんよりしてダメだ。あ、あと最近耳が人より遥かにいい事に気づきました。
帰り道、私立霧咲高等学校の校門前を通ると相合傘をした高校生2人組が。しかも男の子の方はイケメンだし、女の子の方は美人。
「いつもの別れ道まででいいよね。そこから先は私少し走ればいいだけだし。」
「いいよ別に。Aの家まで送る。」
うんうん。青春の1ページって感じだ。JKは不満らしいけど。しかし彼氏を見ると「ありがと。」と一言。
「いーえ。」
うっわ、彼氏の声優しすぎ……絶対この2人カップルだよ。付き合いたて……いや、意外と長くても良い。萌える。
しかし傘は彼女が持ってるらしく、背の高い彼氏の方に傾けていることもあって彼女の肩は濡れている。
「A、傘持つよ。」
やっぱりこの彼氏は気づいていたか。できる彼氏だな。彼女は抗議の声を上げるが、彼氏は傘を取り、今度は彼女の方に傾ける。あ、顔見えた。
「ソウジ君、優しいよね。」
「なんのこと?」
彼氏は少し笑う。うわ、笑った顔可愛い……。このカップル愛しいぞ。
「んーん。なんでもない。」
その後は少し静かな時間が続く。まぁ今日はここまでか。そろそろ2人とも別れるだろうし。しかし私は見てしまった……肩が触れる度に赤くなる彼女に。
「(えぇぇ!かの、彼女!かわい!)」
しかしそれにこのできる彼氏が気づかないはずもなく。
「……Aさ、もしかして照れてる?」
「え?!いや、違う……多分。」
なに??最後の1つ間をあけての『多分』ってなに??可愛すぎか彼女。最近のJKの威力やばいな。いや、たんにこの子が可愛すぎるだけか?
「あんまりそういう反応されると、期待しちゃうんだけど。」
私の時間が止まった。まじか。え、これ、まさか、まだ付き合ってないの??彼氏(仮)の片思い?!さぁ、彼女よ!次はなんて言うんだ?!
「ん?ごめん、なんか言った?」
まじか……車の音で聞こえてないパターン?!この場合は耳が良すぎる私が悪いのか空気を読まない車が悪いのか……多分後者だ。
すると彼氏は大きくため息をつく。
「雨もたまにはいいなって言っただけ。」
彼氏!気づいて!今隣を見れば恥ずかしそうで嬉しそうな彼女が見れるよ!!多分これは脈ありどころか今にでも付き合えるよ!!
多分2人は気づいてないだろう。後ろのヤツが尊さで今にも召されそうなのを。
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ツキノワ。(プロフ) - るしゐさん» 返信が遅くなり申し訳ありません! 一般人視点、書くのは楽しかったのですが読んで下さる方がいるのかなぁと思っていたので嬉しいです。ありがとうございます! (4月9日 18時) (レス) @page49 id: e6cc4ca720 (このIDを非表示/違反報告)
るしゐ - こんにちは〜!時差コメですみません…。ツキノワ。様の小説大好きです!!一般人視点、新しくて好きです〜!素敵な小説ありがとうございました! (2月11日 9時) (レス) id: 3376040ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ツキノワ。(プロフ) - アイレさん» こんなに古い作品にコメントありがとうございます!読んでくださるだけでも嬉しいのに、コメントまでくださるなんて嬉しすぎます〜! (12月29日 23時) (レス) id: e6cc4ca720 (このIDを非表示/違反報告)
アイレ - え……まさかのパラドがいる!!え…めっちゃ新しい視点で物語読むの想像してた以上に楽しい……素敵な作品ありがとうございます!(*‘ω‘ *) (12月29日 19時) (レス) @page47 id: 2f4437d82e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツキノワ。 | 作成日時:2019年11月12日 21時