☆ ページ19
「大我さんとバッタリ会って話し込んじゃって〜。ほら、大我さん姉貴のこと大好きじゃん?」
は、どういうことだ。
呼吸が止まった。世界が急に重く感じて、足が上手く動かない。
「あぁ。だからあんまりニコちゃんを責めないでやってくれ」
なんだ。なんだその言い方は。
どういうことだ。
「大我さんったらニコに甘いんですから〜。」
たいがさん。そんな言い方、よしてよ。
あぁ待って!置いていかないで! この世界が壊れていくんだよ。純粋なんだろう。綺麗なんだろう。男なんかに触られていいひとじゃないんだ!やめてくれ!
「あ、丁度いいや!大我さんのところで夜ご飯食べていこうよ!大我さんも今日姉貴誘うつもりだったらしいし」
これは、一体。
どういうことだと言うんだ。
まだ何かを話してるけど、もう聞こえない。足も力が抜けて、動こうとしてくれない。
なのに、彼女は。待ってくれない。
僕を置いていく。
どうして、どうしてどうしてどうして。
この世界は汚いんだ。君だけが綺麗なんだ。美しく純粋で、怪我されてはいけないんだ。なのにどうして、隣に男を歩かせているんだ。こうやって誰よりも君を愛して見守る僕でさえ、そっと後ろから見守るだけなのに。隣になんて歩いていないのに。
やめろやめろ。どうしてだ。なんでいるんだ。
あんなやつのどこが。あんなやつ、なにも彼女にはあわないのに。どうして。どうして。
足から力が抜ける。ふらふらと道端へ行けば、フェンスに当たった。ガシャンと音が出て、ずるずると僕を座らしていく。
あぁ、こんな日だった。
こうやって、あの日も座っていた。
ねぇ、A。
はやく、声をかけてよ。
駆け寄って、顔を覗いて言ってよ。
他の誰でもない僕に。
『大丈夫ですか?』
やっぱり、この世界はおかしい。
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ツキノワ。(プロフ) - るしゐさん» 返信が遅くなり申し訳ありません! 一般人視点、書くのは楽しかったのですが読んで下さる方がいるのかなぁと思っていたので嬉しいです。ありがとうございます! (4月9日 18時) (レス) @page49 id: e6cc4ca720 (このIDを非表示/違反報告)
るしゐ - こんにちは〜!時差コメですみません…。ツキノワ。様の小説大好きです!!一般人視点、新しくて好きです〜!素敵な小説ありがとうございました! (2月11日 9時) (レス) id: 3376040ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ツキノワ。(プロフ) - アイレさん» こんなに古い作品にコメントありがとうございます!読んでくださるだけでも嬉しいのに、コメントまでくださるなんて嬉しすぎます〜! (12月29日 23時) (レス) id: e6cc4ca720 (このIDを非表示/違反報告)
アイレ - え……まさかのパラドがいる!!え…めっちゃ新しい視点で物語読むの想像してた以上に楽しい……素敵な作品ありがとうございます!(*‘ω‘ *) (12月29日 19時) (レス) @page47 id: 2f4437d82e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツキノワ。 | 作成日時:2019年11月12日 21時