ナンパ 花家大我 ページ1
表では大学生、裏では絵師をしている私は言わばこの世界ではモブ。毎日「次の新刊どうしよっかな〜」などと呑気に考えているモブである。
たとえばこの世界のヒロインであるべき人物は……隣で誰かを待ってるらしい綺麗なお姉さんが該当するだろう。
しかしこのお姉さん。先程からチラチラと時計を見ている。綺麗な服装をしていてこの行動、デートだろう。
「(ま、私は恋愛経験乏しいからなんとなくだけど。)」
と、目の前から男性2人組がお姉さんに声をかける。
「あの、すいません。道をお尋ねしてもいいですか?ここなんですけど……。」
お姉さんは戸惑いながらも「はい。」と返事をする。知ってる場所だったのか道のりを教えていくお姉さん。顔だけじゃなく、心まで美しいとか女神か。
「ありがとうございます。」
「誰か待ってるんですか?」
「えぇ。」
あ、友達からメールきた。あーまだかかるか。『もしあれだったらカフェかなんかで温まってきて。』ここは友達の善意に甘えさせてもらおう。
「良かったらその人が来るまでお茶でもしませんか?」
「お姉さん美人だし、奢りますよ。」
カフェに行こうと近くのカフェを検索していると聞こえてくるのはナンパの言葉。あ〜、お姉さん見事にナンパされてる。助けた方がいいかな?
「いや、彼氏が来るんで……。」
「大丈夫!彼氏さん来るまでの少しの間でいいですから!」
「お茶して帰るだけで大丈夫ですよ。」
わかってる。こういう時は助けた方がいいに決まってる。だけど面倒事を回避したいのが人間の本能で……。私はそこから逃げ出した。
しばらく罪悪感から重い足取りで歩いていると、隣を記憶にあるお姉さんが通る。
「(さっきのお姉さんだ!)」
思わず横をちらりと見るとその隣には黒髪に白い束の髪が見える男性。彼氏、イケメンだなおい。
「なんでAが謝るんだよ。」
なにやらお姉さんが謝ったらしい。いやいや、なんでお姉さんが謝るの?!彼氏さんはため息を1つ。そしてまた口を開く。
「あのなぁ、彼氏が彼女守るのは当たり前だろ。しかもあの状態だったら1人でどうこうできなかったろうし……つまりは、迷惑じゃないってことだ。顔上げろ。」
ヒェッ……彼氏さんイケメンすぎるな。なんだこのカップル。理想すぎる。もしかしなくても少女漫画から出てきたんじゃ……。
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ツキノワ。(プロフ) - るしゐさん» 返信が遅くなり申し訳ありません! 一般人視点、書くのは楽しかったのですが読んで下さる方がいるのかなぁと思っていたので嬉しいです。ありがとうございます! (4月9日 18時) (レス) @page49 id: e6cc4ca720 (このIDを非表示/違反報告)
るしゐ - こんにちは〜!時差コメですみません…。ツキノワ。様の小説大好きです!!一般人視点、新しくて好きです〜!素敵な小説ありがとうございました! (2月11日 9時) (レス) id: 3376040ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ツキノワ。(プロフ) - アイレさん» こんなに古い作品にコメントありがとうございます!読んでくださるだけでも嬉しいのに、コメントまでくださるなんて嬉しすぎます〜! (12月29日 23時) (レス) id: e6cc4ca720 (このIDを非表示/違反報告)
アイレ - え……まさかのパラドがいる!!え…めっちゃ新しい視点で物語読むの想像してた以上に楽しい……素敵な作品ありがとうございます!(*‘ω‘ *) (12月29日 19時) (レス) @page47 id: 2f4437d82e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ツキノワ。 | 作成日時:2019年11月12日 21時