恋を彩る音楽達【特撮短編集】

常磐ソウゴ×Lost Princess (ﾘｸ) ページ22

意味のわからない設定です。何も考えず読んでください。
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Lost Princess/ペコリーヌ、コッコロ、キャル

初めて会ったのは、学校の廊下ですれ違ったからだった。でも何故かその時、少し懐かしい気持ちがして、初めて会ったように思えなくて。どこかで探していた、ぬくもりを彼から感じた。それはソウゴ君も同じだったみたいで、私達は不思議な感覚を持ったまま友達になった。

でも、この気持ちの正体が何かはわからないまま、そのまま1年2年と月日が過ぎていて。そんな初対面の頃の気持ちを忘れた頃、3年生の今日に、「会って話したいことがある」、と不思議なメールが来た。そして今。ソウゴ君の家で会った彼は、いつもは見せない真剣で、どことなく暗い顔をして話してくれた。

「……世界は、やり直してる？」

「……信じられないのはわかる。でも、思い出したんだ。俺とAが会うのは2回目で、それで、俺達はゲイツやツクヨミやウォズと一緒に戦っていた」

そのウォズさんとやらによれば、私の記憶を戻すことも出来るらしい。でも、それにはデメリットもある。

「記憶を戻したら、また戦いに巻き込まれる可能性がある、ってことだよね」

どんな記憶なんだろう。戦い、というくらいだから、楽しいだけの記憶じゃないと思う。辛いこともあっただろう。しかもそれは過去だけじゃなくて、未来にもあるかもしれない。敵、というのがどういう存在かわからないけど、今の平穏は無くなるかもしれない。

でも、どうしてだろう。静寂の中、時計の歯車の音さえもよく聞こえて、気持ちが走り出すのを感じた。

「……そう。だからよく考えて欲しいんだ」

「いいよ」

覚悟が、あった。
ソウゴ君は一瞬固まった後に、「そんな簡単な話じゃないんだ」「よく考えて」と言ってきたけど。欠けた記憶を、手繰り寄せた記憶のその物語を、私の気持ちを、確かめたいと思った。

「ソウゴ君はもう記憶が戻ってるんだよね。なら、私もその記憶を知りたい。ソウゴ君だけに重荷を背負わせたくない」

今ならわかる。初めて会ったあの時は、初めてじゃなくて、再会だったんだと。運命の采配で、私達は白紙の、新しい世界を生きてきたんだと。
そして、とうとう知るべき時が来たんだと。

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