恋を彩る音楽達【特撮短編集】

立風館ソウジ×クリームソーダとシャンデリア ページ18

クリームソーダとシャンデリア/mei × Henrii

緑のソーダに白いバニラが溶けていくのを、ソウジ君の整った横顔と共に見惚れてしまう。今日こそその気持ちを確かめたいとぼんやり思いながら、でもまた誤魔化されるのかも、なんて結論に着地した。

日曜日。外は晴れ。「今からカフェ行かない？」とだけ送られてきたメールに、私もなんてことの無いように「いいよ」とだけ送った。本当はもっとメールが沢山欲しいけど、ソウジ君からのメールはいつも1回だ。だからと言って仲が悪い訳ではなく、むしろその真逆。何も知らない人から見れば、多分私達は、その、恋人に見えてる。

「ソウジ君と居る時が1番落ち着くなぁ」

「……俺もだよ」

思わせぶりに言ってみたのに、返事はこれだけ。ソウジ君の事がもっと知りたいだけなのに、いつも先の見えない駆け引きをしてしまう。

学校の事、キョウリュウジャーの事、部活の事。色々と話して、外はもうすっかり暗くなっていた。集合が遅かったのもあるだろうけど。
もうほとんど話は尽きたはずなのに、私はそれでもまだきっかけを探していて。

「……ソウジ君、次の試合も頑張ってね」

「……応援しに来てよ」

「もちろん」

使い慣れてないセリフだと言うのがバレてしまっただろうか。でも仕方ない。この恋愛ドラマのヒロインは、私だから。

「……そろそろ帰る？」

「……まだ居ようよ。門限まだだよね？ 送るし」

「……じゃあまだ一緒に居ようかな」

いつも1拍置く会話と、まだ一緒に居たいという素振り。いつもはあんなにクールでカッコイイのに、こういう時には私の言葉の意図も全然気が付かないおバカさんになる。もう、どうして気が付かないんだろう。

2個目のクリームソーダ。合わない目線。高鳴る心臓。明日の予定を聞いて、今日はもう無理そうだから明日こそはと気合いを入れて。でもこの曖昧な状態も、案外楽しんでる自分が居る。
ちらりとソウジ君を見れば、ソウジ君はバニラを1口食べてから、何かを決心したかのように私を見た。

「……ねぇ、いきなりで驚かせるかもしれないんだけどさ」

バニラが溶ける頃、目が合って。
今日がその日、なのかも。

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