恋を彩る音楽達【特撮短編集】

小野寺ユウスケ×性格悪くてすみません。 (ﾘｸ) ページ11

性格悪くてすみません。/青谷feat.重音テト

私は頗(すこぶ)る性格が悪い。
人生災難続きだったのもあると思う。お陰様で気がついた頃には性格がねじ曲がっていてひねくれた人間になっていた。
皆が前を向いて進むのなら私は後ろを向いて進むし、今流行りのヴィーガンが「犬や猫は食べないでしょう？」と言ったら「犬も猫も牛と豚と同じ味がするでしょうね」と答える。まぁ実際に言ったわけでもやった訳でも無いが、そのくらい屈折しているのだ。

だから、戦闘でユウスケ君の言う事を無視して敵の罠にまんまとハマり、それを責められている時でも。この口からはひねくれた言葉しか出ない。「ほっといて」も「大丈夫」も「なんでもない」でも言えればひねくれた答えをするよりかはマシだと思うけど、お生憎様、もうそういうのは言い飽きた。

「なんで俺を信じなかったんだ！ 俺は言っただろ！」

「君を信じなかった、じゃなく、君が裏切ると信じてたのさ」

「はぁ〜、ああ言えばこう言う……」

「性格悪くてごめんね〜」

「ほんとだよ……」

辟易した様子でガックリと肩を下げ、脱力したように椅子に腰掛け背もたれに背をだらんと預けるユウスケ君。私のこの性格にも慣れたもので、「まぁ怪我も少なく済んで良かったけどさ」とうんざりした様子で言ってくれた。
その様子すらも、おかしくて。ついつい口角が上がる。

でも。この笑顔は、おかしい、という感情だけでは無いというのを、私は知っている。

この気持ちはまだ完成させなくて良い。
最後の1枚を嵌めたらしっくり来て正解の言葉が完成するパズルだとしたら、その最後の1枚は飲み込んでしまおう。もし腹痛が来ても、膨らむ腹を押さえつけて。
まぁ、本当の僕なんて僕だけが知っていれば十分だ。

「A、その性格の悪さ治さないといつか壊れて死ぬぞ。自滅する」

「大丈夫。きっかり死んでから壊れるからさ。安心してよ」

「あーほんとなんで捻くれ者ばっかなんだよここ……俺はお前を心配してるの！」

そんな優しいところを、素直に受け止めれたら良いかもしれないけど。素直に受け止められない変人な私でも付き合ってくれるから私はパズルを残り1枚になるまで作ってしまった訳で。本当に悪いのはどっちだか。

「わざわざ私なんかにありがとうございます〜」

「腹立つ〜！」

その様子に、また笑ってしまった。

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