検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:13,849 hit

-- 2 -- ページ5

.


いつぶりだろうか。
誰もいない部屋へ足を踏み入れると、独特の匂いに包まれる。


テーブルの上の花瓶

壁に掛かった額縁

本棚の上に置かれたぬいぐるみ


どれも馴染みのなかったもの

どれも馴染んでしまったもの



「どうするんだ……これ……」



捨ててしまえばいい

捨てられればいい

いつまでもそんなものに縛られている



「花でも刺してやらないと、意味がない」



空っぽになった花瓶には、少し埃がかぶっていた。

いつからだろうー

ソファに腰をかける。広すぎるソファ。何度目かのため息を吐くと、小さな箱を手にとった。



「これ……」



クリスマスに買ったオルゴール。機嫌が良いとき、よく歌っていた鼻歌。ネジを回すと、あの日のように心地良い音色が耳に届いた。



.

-- 3 --→←Lemon -side N-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.0/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Light | 作成日時:2018年2月15日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。