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いつぶりだろうか。
誰もいない部屋へ足を踏み入れると、独特の匂いに包まれる。
テーブルの上の花瓶
壁に掛かった額縁
本棚の上に置かれたぬいぐるみ
どれも馴染みのなかったもの
どれも馴染んでしまったもの
「どうするんだ……これ……」
捨ててしまえばいい
捨てられればいい
いつまでもそんなものに縛られている
「花でも刺してやらないと、意味がない」
空っぽになった花瓶には、少し埃がかぶっていた。
いつからだろうー
ソファに腰をかける。広すぎるソファ。何度目かのため息を吐くと、小さな箱を手にとった。
「これ……」
クリスマスに買ったオルゴール。機嫌が良いとき、よく歌っていた鼻歌。ネジを回すと、あの日のように心地良い音色が耳に届いた。
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作者名:Light | 作成日時:2018年2月15日 22時