今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:13,852 hit
小|中|大
-- 2 -- ページ2
「中堂さん…」
行き交う車のライトが、Aを照らす。悲しみを溜めた瞳に、言葉を詰まらせた。
「なにがあったかなんて聞きません。聞きたくないです。あなたが背負っているもの…重すぎるもの、一緒に背負おうなんて思いません。そんな無責任なことできませんから。」
瞬きも忘れてしまう。
「ただ…たまに寄り掛かってくれたら、それで少しでも軽くなるなら、私はあなたの隣にいてもいいんだって…思えるのかなって……」
遠慮がちに服の裾を摘むA。中堂はただ、動けずにその光景を眺めていた。
「好きなひと…には、笑っていてほしいじゃないですか…」
伏し目がちだったAの瞳に、中堂が映る。まっすぐに。でも、今にも泣き出しそうだった。
「なんでお前が泣きそうになってんだ」
零れ落ちそうな涙を掬ってやり、頬に手をやる。触れた指先が、やたらと熱くなる気がした。
「中堂さんが泣いてるからです」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
60人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Light | 作成日時:2018年2月15日 22時