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「中堂さん…」

行き交う車のライトが、Aを照らす。悲しみを溜めた瞳に、言葉を詰まらせた。

「なにがあったかなんて聞きません。聞きたくないです。あなたが背負っているもの…重すぎるもの、一緒に背負おうなんて思いません。そんな無責任なことできませんから。」


瞬きも忘れてしまう。


「ただ…たまに寄り掛かってくれたら、それで少しでも軽くなるなら、私はあなたの隣にいてもいいんだって…思えるのかなって……」


遠慮がちに服の裾を摘むA。中堂はただ、動けずにその光景を眺めていた。


「好きなひと…には、笑っていてほしいじゃないですか…」


伏し目がちだったAの瞳に、中堂が映る。まっすぐに。でも、今にも泣き出しそうだった。


「なんでお前が泣きそうになってんだ」


零れ落ちそうな涙を掬ってやり、頬に手をやる。触れた指先が、やたらと熱くなる気がした。


「中堂さんが泣いてるからです」

-- 3 --→←触れたその先



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作者名:Light | 作成日時:2018年2月15日 22時

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