美男子彼氏×美少女彼女 [及川徹] (ページ5)

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4.文化祭後編ページ5

〈及川side〉

あああ。とうとう当日になってしまった。あと数時間でAは俺以外の男とキス……。

気が気じゃないよ。

『ピロン』

ん、今通知なった？誰からだろ。

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松川

松川Aちゃんとの4人ショットゲット。羨ましいだろ。

松川松川が写真を送信しました。

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は？果てしなくウザイんだけど。

てか、A可愛いっ！こんなカッコで受付とかやばいやつに絡まれてるんじゃ……助けに行かなければ！

「及川ー。こっち持って。」

「え、あ、うん。」

ああ、なんで俺この時間の当番にしたんだろ……。

✱

時は流れとうとう体育館で行われる劇の公演時間になった。

本番だよ。本番。もうダメ。

「いよいよ始まるな！」

「だな。ってか人の量えげつな。」

なんだかんだついてきてくれるこの3人は本当はイイ奴なんだよなぁ。

「さ、及川の悲しむ姿激写しよーぜ。」

「そんでAに送ろー。」

うん。さっきのなし。っていうか今なんて言った？

「なんで連絡先知ってんの！？」

「別にいいだろ。」

いや、よくないからね岩ちゃん！

「だめだめだめ！」

『只今より、演劇部公演“アラジン”を上演致します。』

「あ、始まる。及川黙れ。」

……。始まってしまった。

確かアラジン役は同じクラスの葵。あいつも俺の次にイケメンだし。

「はぁ。」

✱

『庶民の格好をして退屈な宮殿から抜け出してたのさ！だから王子っていうのは、本当なんだ！』

とうとうこのシーンまでやってきた。

今までも見つめあったり、手を繋いだり……。恋人繋ぎだったって知ってるからね！

あれだけイチャコラしてて既にイラつくのにこれ以上見てられない。

『ふふっ……全然変じゃないわよ。』

『おやすみ、素敵な王子様……。』

『おやすみ、王女様。』

「「きゃぁぁぁ。」」

う、わ。もろ見てしまった……。キスしてるように見えるし。

周りの女の子達は黄色い声援を送っている。

「A先輩綺麗だぁ。」

「葵先輩とお似合いだよね！」

俺の後ろに座っていた女の子2人組がそんなことを言ってる。

1年生かな……。

ああもうダメ。俺のHP消えた。

「ごめん、ちょっと俺抜けるわ。」

「マジかよ。」

「わ、及川の顔やば。」

「うう。感動するっ！」

「まだ泣くな花巻。」