09.そう！一番の難関はそれ！ ページ10
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潤「…あれ？Aさんって俺のことなんて呼んでます？」
「…松潤さん」
潤「これから一緒に暮らすのも同然ですし、下の名前で呼び合いません？…あ、敬語もなしでね。」
そんな言葉がキッカケで、私は松潤さんのことを潤くんと呼ぶことにした。
彼はA、と呼び捨てということにした。
これからはお互い、敬語では話さずタメで。
慣れないだろうな……。なんて思ったけど、意外と慣れていったのは数日後のお話。
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「ごちそうさまです。」
潤「お粗末様です。」
とても美味しかった、身体中がポカポカしている。
「あ、お手伝い。しますよ」
絶対重たい、キムチ鍋の赤い汁がところどころに残った大きな鍋。
華奢そうで、少し筋肉のついた腕に見惚れてる自分もいたけど、今はそれどころじゃない。
潤「気遣い、ありがとう。…ていうか、人を気にするより敬語で話さないようにすることを気をつけたら？A？」
思わず、あっ。と声を出してしまう。
数十秒前の私の言葉を思い出して、意味もなく口を押さえた。
でもそれは本当に意味がなくて。
意味ないか、と口元から手を離した時には重たそうな鍋はもう、水場に置かれていた。
いつの間に…、と零したら潤くんはAがワタワタしてる時に運んだよ。
と、爽やかすぎる笑顔を振り撒いて言った。
潤「洗ってる間にお風呂…って、着替えがないのか。」
「ホントだよ、ずっと気になってた。」
蛇口を捻る寸前で彼は手を止めた。
潤「……そうだ、ねーちゃんのがあるわ。取ってくる」
充電器のある部屋の手前の部屋に、彼は入って行った。
ていうか、部屋の数多っ！
だって今数えたら3つはある、…和室も隣にあるからそれ含め4つ。
…一人暮らしでこの広さとか、ズルい。
キッチンまで歩いてって、蛇口を捻る。
ジャーという音が、ただただ響いた。
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作者名：成瀬
| 作成日時：2016年11月3日 10時
