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隣に彼女が居るだけでも気が散るのに、そんなに見られては集中できない。いや、三人掛けソファのど真ん中に座った僕が悪いんだけど。


その時、窓の外から白い光が瞬き、地鳴りを伴う轟音が響き渡った。


『!?』

危うく飛び上がるところだった。文字通り。

「びっ…くりしたぁ…」
「そうですね…停電するかと思いました…」

バクバクと全力疾走する心臓をなんとか落ち着けながら、ギリギリのところでポーカーフェイスを保つ。ギムレットの前で不甲斐ないところは見せられない。

…そういえば、ギムレットって雷は平気なのか?

さっきから一言も喋らないし、微動だにもしていない気がする。
そう思って隣に目を向けると、彼女は数枚のブランケットを両手で持って、抱きつくように抱え込んでいた。
しかも。

「あの…なんだか顔色悪くないですか…?」

眠そうなのは相変わらずだが、先程隣に潜り込んできた時より、若干青ざめているような気もする。

「…別に平気」
「いや、悪いですよ!ここに居るより、部屋で休んだ方がいいですって」
「バーボンの言う通りだよ。体調悪いなら無理しちゃダメだぞ?」

スコッチからの援護射撃も相まって、ギムレットはむっと黙り込んだ。そして、もふりとブランケットに顔を埋める。

「…体調は悪くない。ただ、…今は1人で居たくない」

もごもごと返ってきた返事に、スコッチと2人で顔を見合わせてしまった。
まさか。

「…貴方もしかして、雷が怖いんですか…?」
「違う」

即答だった。
ブランケットからもぞりと覗いた薄いグレーが、不機嫌そうに自身の足元を睨む。

「…雷は、嫌なことを思い出すから…苦手なだけ」

そう言って、ギムレットはまた口を閉じてしまった。動く気配はない。
これ以上は言っても無駄だな…。

彼女自身、本当は寝てたいんだろうが、雷の音が大きすぎて目が覚めてしまうんだろう。もしくは無意識に警戒して、緊張状態になっているのかもしれない。
誰かの近くが安心するというのは分かるが、生憎この状態は僕の気が休まらない。

どうしよう。

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胡蝶(プロフ) - 来来(きままに更新)さん» コメントありがとうございます!一気読み頂いたうえにそんなお褒めの言葉まで…!嬉しいです…噛みしめますね…。さて、二幕も終盤でございます。遅筆ですが、どうぞ最後までお付き合い下さいませ! (9月6日 0時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
来来(きままに更新)(プロフ) - ついつい一気読みしました。文章力もそうですがギムレットの感情、安室との絡み全てが好きです!尊敬します! (9月5日 12時) (レス) @page45 id: b6c1688bfb (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 胡蝶さん» まさかお返事をいただけるなんて(;ω;)とっても嬉しいです!!もちろんお楽しみにしながら待ってます!!!♡ (7月25日 20時) (レス) id: 245f7f2888 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!そして、嬉しいお言葉をありがとうございます!タイムセールもお楽しみ頂けたようで何よりです笑 のんびり更新ですが、二幕も終盤に差し掛かりました。どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。 (7月24日 23時) (レス) @page19 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 卵のくだりがすごく面白かったです笑 (7月24日 22時) (レス) id: 245f7f2888 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2023年7月10日 8時

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