Case.255 ページ13
国の安全を天秤にかけた時点で、僕達公安に選択肢はほぼ無い。組織としての申し出となると上に確認が必要だが、余程のことでなければ通るだろう。例え渋られてもどうにかしてみせる。
――聞こう
意気込んで先を促した結果、突きつけられた条件に頭を抱えることとなった。
――私達FBIと公安警察とで、協力関係を結んでほしい
思えば、Aが正体を明かした時も同じ事を言っていた。あの時すげなく断ったから、今回の条件として提示してきたのだろう。
組織の動きが一番活発なのは、この日本だ。この国で動く以上、公安警察の協力は必須。Aとしては、なんとしてでも僕達をネットワークに引き入れたかったんだろう。
…それにしても。
僕からの依頼を利用して、個人的な取引に留める事もできたはずだ。それを敢えて組織同士の話にまで持ち上げるとは。
“公私混同はしたくない”…言葉通りだな。
Aの有言実行に感心していると、風見が何かを思い出したのか、あ…と声をこぼした。
「その、…降谷さん。九条捜査官の知り合いで、“ミナト”という人物をご存知ですか…？」
「ミナト？」
唐突な質問に、少し記憶をさらってみる。
「いや、聞いたことはないな。その人物がどうかしたのか？」
「あ、いえ！ご存知なければそれで。大したことではありませんので――」
「…なんだ、言え」
こんな聞き方、あからさまに何かありますと言っているようなものだ。それに、Aに関わる話なら、例え大したことでなくとも知っておきたい。風見はせわしなくうろうろと視線をさまよわせていたが、僕が睨むと観念して口を開いた。
「…実は無人探査機へ信号を送るコードが変更された際、九条捜査官に直接NAZUとの回線を繋いで頂いたのですが…その時NAZU側で対応してくれた男性が、旧知の方だったようで」
「ああ…それはAから聞いている」
生存確認の連絡相手か。
というか、相手は男だったのか。
もや、と何かが胸の内をよぎるが、気づかなかったことにする。彼女の交友関係に、余計な口は挟むまい。
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胡蝶(プロフ) - 来来（きままに更新）さん» コメントありがとうございます！一気読み頂いたうえにそんなお褒めの言葉まで…！嬉しいです…噛みしめますね…。さて、二幕も終盤でございます。遅筆ですが、どうぞ最後までお付き合い下さいませ！ (9月6日 0時) (
レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
来来（きままに更新）(プロフ) - ついつい一気読みしました。文章力もそうですがギムレットの感情、安室との絡み全てが好きです！尊敬します！ (9月5日 12時) (レス) @page45 id: b6c1688bfb (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 胡蝶さん» まさかお返事をいただけるなんて(；ω；)とっても嬉しいです！！もちろんお楽しみにしながら待ってます！！！♡ (7月25日 20時) (レス) id: 245f7f2888 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます！そして、嬉しいお言葉をありがとうございます！タイムセールもお楽しみ頂けたようで何よりです笑 のんびり更新ですが、二幕も終盤に差し掛かりました。どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。 (7月24日 23時) (レス) @page19 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 卵のくだりがすごく面白かったです笑 (7月24日 22時) (レス) id: 245f7f2888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡蝶 | 作成日時：2023年7月10日 8時
