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Case.253 ページ11

「ハロ!“Come”!」

Aの呼びかけに反応して、アンッと元気よくハロが鳴く。小走りで駆け寄ってきたハロを受け止めて、Aは“Good boy”と撫で回していた。

「だいぶ英語も覚えてきたな」
「そうね。まだなんとなくこっちの様子も伺ってるけど、基礎的なコマンドはほぼ覚えたんじゃない?」

Aの分のアイスコーヒーをテーブルに置き、彼女の隣に腰を下ろす。ハロに“おいで”と言えば、Aの手を離れて僕の横にやって来た。こしょこしょと顎の下を擽ってやると、ころんと寝転がっておねだりを始める。

「ふふ、やっぱり零には特別懐いてるわね」

早々にへそ天したハロを見て、Aがくすくすと笑う。

「まぁな。けど、君には僕の次くらいには懐いてるぞ」
「そうなの?でも、私より風見さんの方が面倒見てなかった?」
「…あー…」

Aが言うのも最もだ。風見には、僕が仕事で家を空ける時に面倒を見てもらっている。
Aも僕の留守中にも会いに来てくれているらしいが、やはり風見には及ばない。
だから、順当に行けば風見に懐くのが普通だろう。
だが。

「…なんというか、風見には懐くというより自分と同格だと思ってる節があってな…」

なんならよく遊んでくれる人という認識かもしれない。

「Aには元々懐いてたわけだし、あとはまぁ…僕が気を許してるのが分かるんだろ」

ペットは飼い主に似るって言うし。

「…ふぅん」

そう言って、Aはどことなく嬉しそうな顔でテーブルのアイスコーヒーを手に取った。

「…照れてる?」
「…ちょっと」

可愛い。

腕を回して肩を抱き寄せる。大人しくされるがままになってくれるのを良いことに、頭を撫でて指通りのいい栗色の髪を弄んだ。
しばらくすると、Aの頭がこてんと肩口に乗った。見ると、うとうとと瞼が下がってきている。

「眠かったら寝ててもいいぞ」
「…んー…」

生返事が返ってきた。Aのことだから、目を閉じたらすぐだろう。持ったままのアイスコーヒーをそっと抜き取って、テーブルに移動する。
こんなことなら、ココアにでもするべきだったな。

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胡蝶(プロフ) - 来来(きままに更新)さん» コメントありがとうございます!一気読み頂いたうえにそんなお褒めの言葉まで…!嬉しいです…噛みしめますね…。さて、二幕も終盤でございます。遅筆ですが、どうぞ最後までお付き合い下さいませ! (9月6日 0時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
来来(きままに更新)(プロフ) - ついつい一気読みしました。文章力もそうですがギムレットの感情、安室との絡み全てが好きです!尊敬します! (9月5日 12時) (レス) @page45 id: b6c1688bfb (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 胡蝶さん» まさかお返事をいただけるなんて(;ω;)とっても嬉しいです!!もちろんお楽しみにしながら待ってます!!!♡ (7月25日 20時) (レス) id: 245f7f2888 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます!そして、嬉しいお言葉をありがとうございます!タイムセールもお楽しみ頂けたようで何よりです笑 のんびり更新ですが、二幕も終盤に差し掛かりました。どうぞ最後までお付き合いいただければと思います。 (7月24日 23時) (レス) @page19 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 卵のくだりがすごく面白かったです笑 (7月24日 22時) (レス) id: 245f7f2888 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2023年7月10日 8時

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