第24夜 ページ24
「…確かに、髪と瞳の色は安室さんによく似てるね」
「逆に、似ているのはそれくらいなんだけどね。数日前に日本に来たばかりなんだ。――そうだ、もしよければカウンターへいかがですか？彼女のこと、紹介させてください」
降谷にどうぞと促されて、小五郎や蘭に続き、コナンもカウンター席へ座る。
ランチセットを3つ注文したところで、小五郎が鼻の下を伸ばした。
「いやー、安室君にこんな美人な親戚がいたとはなぁ！」
「でも、安室さんカッコいいし、ちょっと納得かも」
さすがの蘭も、これには父親に同意する。
コナンは興味津々といった体で身を乗り出した。
「それで、お姉さんのお名前は？」
「私は桃花A。君は？」
「江戸川コナンだよ」
すると、小五郎が勢いよく立ち上がってAの手を取った。
「私は名探偵の毛利小五郎と申します！以後、お見知りおきを……」
しっかりとキメ顔するのを忘れない。しかしその手はすぐに引きはがされた。
「ちょっとお父さん！Aさんがびっくりしてるじゃない！やめてよね…」
蘭はAに向き直り、ペコペコと頭を下げる。
「すみません、うちの父が…」
「ふふふ、大丈夫だよ。熱烈だね、君のお父さんは」
それで、と言葉を切って、Aは蘭の髪に触れた。
「君の名前を教えてくれるかな、綺麗な黒髪のお姉さん？」
『…………』
しん、と店内が静まり返る。
蘭はもちろん、コナンや小五郎は絶句し、カウンターでは降谷と梓が頭を抱えた。
「…お姉さん？」
どうかしたのかな、とAが小首を傾げる。
「も、毛利蘭、です…」
「蘭ちゃんっていうんだね。これからよろしく！」
「はい…」
蚊の鳴くような声で返事をする蘭は、湯気の出そうなほど真っ赤になっていた。
「A…貴方というひとは、また女性を口説いて…」
「ええ、今のもダメなのかい？難しいなぁ…」
むむっと唇を尖らせるAは、顔の横にひと房だけ編まれた三つ編みをいじる。
「すみません、蘭さん。この子、女性にはこんな調子で」
「私も口説かれちゃったのよねー」
申し訳なさそうな顔の降谷とは対照的に、梓は嬉しそうだ。
「ねぇねぇ、Aさんって帰国子女なの？」
コナンが無邪気に問いかける。
しかし、答えたのは降谷だった。
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胡蝶(プロフ) - ゆめさん» コメントありがとうございます！お、恐れ多いです…！蔵出しなので更新遅いですが、どうぞお付き合い下さいませ！ (2022年7月5日 3時) (
レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - 好きな作品と好きな作品が合さってる上に最推し落ちとか神ですか！？この小説を推させてもらいますね！！！ (2022年7月3日 22時) (レス) id: acb22861a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡蝶 | 作成日時：2022年6月25日 12時
