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※ご注意
ぬるい性描写があります。
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上顎をつつかれてびくりと身体を震わせると、バーボンは蕩けそうな笑みを浮かべた。
「ふ…ここ、弱いんですね」
「…うるさ、んんっ」
言い返そうとした言葉を呑まれ、再び侵入してきたそれに何度も上顎を擽られる。
「ゃ、ん、まっ…て、」
私の反応を確かめるように弄ばれて、息苦しさから必死で胸を押し返した。
僅かにできた隙間からはくりと息をすると、再び深く舌が差し込まれる。
しつこい…っ!
もう一度胸を押し返そうとしたら、お見通しとばかりに指が絡んで両手ともシーツに縫い留められた。おかげで背中を駆け上がってくる感覚をどこにも逃がせなくて、ただ無防備に身体を震わせる。
「ん、ぅ…ッ」
最後に舌先を吸われて解放されると、かくりと身体が弛緩した。肩で大きく息をして、乱された呼吸をなんとか整える。
左手に絡んだ指が解け、バーボンは濡れた髪を鬱陶しそうに掻き上げた。ぱたぱたと雫が落ちてくる。
やっぱり、拭いたほうがいいかな。
お互い濡れた服は脱いで下着しか着けていないけど、バーボンは元々ずぶ濡れだったから、服を脱いでもあまり変わってない。
ちらりと、ベッドのすぐ脇に置いてあるキャビネットを見る。
あそこにはタオルを数枚常備していて、この前バスタオルも押し込んだはずだ。あれを出してあげた方がいいかもしれない。
そんなことを考えていると、私の視界を遮るように、バーボンの手が置かれた。体重が乗せられ、ベッドのスプリングがぎしりと音をたてる。
掠れた声が耳元で囁いた。
「…逃げないで」
「…っ、」
繋がれたままの右手が、痛いくらい強く握られる。
「逃げないで下さい、ギムレット」
僅かに揺れた声は懇願にも似ていて、どこか怯えているようにも見えた。
…不安にさせたか。
「…逃げないよ。…ただ、アンタが濡れたままだったから」
安心させようと頬に触れると、バーボンは自分から頬を擦り寄せてくる。手の平からひやりと冷たさが伝わってきた。
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胡蝶(プロフ) - 藍色さん» コメントありがとうございます!もったいないお言葉です…が、とてもとても嬉しいです!語彙力捻り出しながら書いた甲斐がありました…。書くのが遅い上に煮詰まっていて遅筆に拍車がかかっておりますが、どうかお付き合いくださいませ。 (2022年8月17日 13時) (レス) @page14 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 作者様のキャラの感情表現、文才能力が凄すぎます…!度々一人で悶えながら読んでます!面白い作品に出会えて私は幸せです(´;ω;`)更新楽しみに待ってます! (2022年8月16日 3時) (レス) id: 82bbddf0f3 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ねるさん» コメントありがとうございます!一気読み嬉しいです!書くのが遅くてお待たせしておりますが、頑張って更新いたします…! (2022年8月9日 15時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ねる - 一気読みしてしまいました!続き待ってます!更新頑張ってください(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) (2022年8月8日 9時) (レス) @page27 id: a5b6221b88 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - かるぴんさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!特に二幕はデレ期のつもりなので…距離感を詰めていく様子にお付き合い下さいませ! (2022年7月14日 20時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年6月25日 12時