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Case.135 ページ17

ぐうぅぅ。
道の端でしゃがみ込み、盛大に鳴いた腹の虫をさすった。

ここは死ぬほどヤバイの看板に偽りなし、ラーメン小倉の店の前。

「…お腹すいた…」

お預けを食らってから、そろそろ30分が経つ。
零のヤツ、組織の任務が落ち着いてきたって言うから誘ったのに…公安でバタついてるなら意味ないじゃん。

つい1時間前までは問題ないと連絡がきていた。それなのに、直前になって本業で至急の案件が来たらしい。それでも絶対行くから待っててくれと言われて、以降音信不通だ。一体いつまで待てばいいのか。

そこへ、見計らったかのようにメールの通知がポップアップした。
やっと終わったか。
そう思って、届いたメールを確認したところ。


《悪い、やっぱり行けそうにない》


「Huh?」


思わず英語が出た。


「………」

いや、仕方ない。仕方ないのはわかる。でも、もう少し、こう、なんとかならなかったのだろうか。
長い長いため息をついて、私はゆっくりと立ち上がった。

「こういう時は、思いっきり食べる…」

ふふふ…と口の端から笑いが漏れる。
ガラリと引き戸を開けると、店主と店員の高らかな声に出迎えられた。

「大将!閻魔大王ラーメンと、今日は餃子と炒飯も1人前頼むわ!」
「い、いらっしゃいAちゃん…そんなに食うのかい…?」
「け、結構なボリュームですけど…」
「大丈夫よ。これでも量は食べられるから」

アメリカ育ちを舐めないでほしい。
すると、店員の女性がしどろもどろに言った。

「いえ、あの…カロリーとか、大丈夫です…?」


……カロリー?


「知らない子ね」


***


「はいよ!閻魔大王ラーメンと、餃子と炒飯1人前!」
「ありがとう。今日も美味しそうね」

湯気の立つスープが空腹を刺激する。さらに餃子のニンニクの香りと、炒飯の香ばしい匂いもやってきて、正直もう限界だった。
割り箸を割ってラーメンをすする。

「んーっ!おいし!」
「おう、ありがとよ!あれから何度か来てくれてるし、Aちゃんももう常連だな。餃子と炒飯、もし食べきれなかったら持ち帰りにしてやるよ」
「そう?じゃあ万が一の時はお願いするわ」

多分食べきれると思うけど。

「それで、安室さんとはどうなんだい?」
「あっ、それ私も気になります!結構良い雰囲気でしたよね!」
「…大将も彩代も、気になるのはそこなのね」

えへへ、と店員の女性――彩代が頬を掻く。ラーメンを待つ間、なんと同い年と分かって打ち解けてしまった。

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胡蝶(プロフ) - 藍色さん» コメントありがとうございます!もったいないお言葉です…が、とてもとても嬉しいです!語彙力捻り出しながら書いた甲斐がありました…。書くのが遅い上に煮詰まっていて遅筆に拍車がかかっておりますが、どうかお付き合いくださいませ。 (2022年8月17日 13時) (レス) @page14 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 作者様のキャラの感情表現、文才能力が凄すぎます…!度々一人で悶えながら読んでます!面白い作品に出会えて私は幸せです(´;ω;`)更新楽しみに待ってます! (2022年8月16日 3時) (レス) id: 82bbddf0f3 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ねるさん» コメントありがとうございます!一気読み嬉しいです!書くのが遅くてお待たせしておりますが、頑張って更新いたします…! (2022年8月9日 15時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ねる - 一気読みしてしまいました!続き待ってます!更新頑張ってください(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) (2022年8月8日 9時) (レス) @page27 id: a5b6221b88 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - かるぴんさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!特に二幕はデレ期のつもりなので…距離感を詰めていく様子にお付き合い下さいませ! (2022年7月14日 20時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年6月25日 12時

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