Case.133 ページ15
《まぁね。でも、ノートパソコンがあれば出先でもできるし》
《それ、休日に仕事してるのと同じじゃないか？》
再び返信が一度止まった。
《やめようかこの話》
《それがいいな。お互いの精神衛生上、大変によろしくないと思う》
どうやら思うところがあったらしい。
これは推測だが、ナインさんの仕事も警察と同じで、呼び出しがあれば即刻応じなければならない職種のように思う。
ブラックだとからかっても本気で心配されないところとか…まぁ、ゲーム仲間相手にあまり詮索しないようにしているのかもしれないが。
《よし、話題を変えよう。その上司の彼女ってどんな人？》
《そっちに行くのか》
それはそれで自分には鬼門なのだが。
《だって気になるじゃん。上司は結構顔整ってるんだよね？なら、彼女は？》
うっとうめき声が漏れた。
薄いグレーの瞳や栗色の髪といった、容姿の特徴は自分も聞いている。だが、相手は潜入捜査官だ。ゲーム仲間とはいえ、むやみに話すわけにもいかない。
考えた挙げ句、一言。
《実は顔を見たことがないんだ》
…嘘は言っていない。
《えっ、そうなの？写真は？》
《それもない。多分、上司も撮っていないはずだ》
FBIの規定は分からないが、潜入捜査官なら日本と大差ないだろう。降谷さんも撮るつもりは今のところないようだし、彼女のノックリスト追加についても、キュラソーの件で見合わせとなっている。
《へぇ、変わってる。っていうか、職場の人じゃなかったんだ》
思わぬことを言われ、はたと手が止まる。
《違うけど…どうしてだ？》
《ユーヤさん、上司に対して結構堅いから、上下関係しっかりやってそうだなって思ってたんだ。それなのに、上司と部下でそんな話になるってことは、職場恋愛かなって。でも、違うならその上司とは意外と仲が良いんだね。プライベートまで教えてくれるなんてさ》
言われてみれば確かに。
必要があると思って聞いていた事だったが、ただの上司と部下の関係で話すような内容ではない。ここで下手に否定するのも変だろうか…。
そう思って、とりあえずこの場は《まぁな》と返事をしておいた。
《でも残念。どんな相手か、少しくらい知りたかったのに》
《悪かったな、期待に添えなくて。かなりの美人らしいとは聞いているが》
以前あったデパート爆破未遂の際、近くにつけていた部下達が、彼女の容姿をそれはもう熱を入れて力説していた。あの場に降谷さんが居なくて本当に良かったと心から思う。
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胡蝶(プロフ) - 藍色さん» コメントありがとうございます！もったいないお言葉です…が、とてもとても嬉しいです！語彙力捻り出しながら書いた甲斐がありました…。書くのが遅い上に煮詰まっていて遅筆に拍車がかかっておりますが、どうかお付き合いくださいませ。 (2022年8月17日 13時) (
レス) @page14 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 作者様のキャラの感情表現、文才能力が凄すぎます…！度々一人で悶えながら読んでます！面白い作品に出会えて私は幸せです(´；ω；｀)更新楽しみに待ってます！ (2022年8月16日 3時) (レス) id: 82bbddf0f3 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ねるさん» コメントありがとうございます！一気読み嬉しいです！書くのが遅くてお待たせしておりますが、頑張って更新いたします…！ (2022年8月9日 15時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ねる - 一気読みしてしまいました！続き待ってます！更新頑張ってください(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) (2022年8月8日 9時) (レス) @page27 id: a5b6221b88 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - かるぴんさん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです！特に二幕はデレ期のつもりなので…距離感を詰めていく様子にお付き合い下さいませ！ (2022年7月14日 20時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡蝶 | 作成日時：2022年6月25日 12時
