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Case.125 ページ7

「じゃあ、まともに動けるようになるまで居させてもらう」

起き上がってからずっと、腰がズキズキと悲鳴をあげている。
とてもじゃないけど、この状態でバイクには乗れそうにないしね。

「…すまない」

しょぼんとうなだれるのを見るに、ちょっとは反省してるらしい。

とはいえ、私自身それだけ頑張れたということは、つまりはお互い様というわけで。

責めたつもりは一切ないんだけど…せっかくだから貸しにさせてもらおう。


「…で、その格好ってことはこれから公安?」
「ああ、昨日の件の後処理を。あれだけの騒動を部下に任せきりにするわけにはいかないし、…これからしばらくは、“バーボン”に専念することになるだろうから」

ボウヤの機転で払拭されたとはいえ、疑いが完全に晴れたわけじゃない。NOCとは無関係だとアピールするためには、敢えて組織の目に触れるよう動くのが効果的だ。

「ポアロはどうするの?」
「そっちはこれまで通りに出るよ。また休むのは梓さんに悪いしな」

確かに。

そこで、零は思い出したように時計を見た。

「っと、そろそろ出ないとさすがにまずいか」

足元に置いていた鞄と上着を持って、くるりとこっちを振り返る。

「じゃあ行ってくる。鍵はポストに入れておいてくれ」
「分かったわ。行ってらっしゃい」

ひらりと手を振って送り出す。足早に遠ざかっていく足音は、ドアの閉まる音を境に聞こえなくなった。

「…よい、しょ…っと」

ベッドの上から手を伸ばして、床の上に放り出されたボディバッグを手繰り寄せる。
確かスマホはここに入れたはず…。

「…うわ」

中にあったスマホを取り出すと、電池が切れかかっていた。とりあえず充電器を繋いで通知を確認する。
急ぎの案件は無し、と。
ぽいっとスマホを放り出して、再びベッドに寝転がった。

これなら問題ない。心置きなく二度寝ができるわ。

ふわぁっと欠伸をして、布団にくるまるように寝返りを打つ。


シーツから香る香水の匂いが、とろりとした眠気を運んできて。


私はおだやかに意識を手放した。

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胡蝶(プロフ) - 藍色さん» コメントありがとうございます!もったいないお言葉です…が、とてもとても嬉しいです!語彙力捻り出しながら書いた甲斐がありました…。書くのが遅い上に煮詰まっていて遅筆に拍車がかかっておりますが、どうかお付き合いくださいませ。 (2022年8月17日 13時) (レス) @page14 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
藍色(プロフ) - 作者様のキャラの感情表現、文才能力が凄すぎます…!度々一人で悶えながら読んでます!面白い作品に出会えて私は幸せです(´;ω;`)更新楽しみに待ってます! (2022年8月16日 3時) (レス) id: 82bbddf0f3 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ねるさん» コメントありがとうございます!一気読み嬉しいです!書くのが遅くてお待たせしておりますが、頑張って更新いたします…! (2022年8月9日 15時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
ねる - 一気読みしてしまいました!続き待ってます!更新頑張ってください(⁎ᴗ͈ˬᴗ͈⁎) (2022年8月8日 9時) (レス) @page27 id: a5b6221b88 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - かるぴんさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです!特に二幕はデレ期のつもりなので…距離感を詰めていく様子にお付き合い下さいませ! (2022年7月14日 20時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年6月25日 12時

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