Case.68 ページ34
すると、コーヒーを淹れて戻ってきた赤井さんが、俺の手から飴を抜き取ってAさんに投げ渡してくれた。
内心ほっと胸をなでおろす。
「なんでAさんはそんなもの持ってんの…?」
「ボウヤだって似たようなものたくさん持ってるじゃない」
間髪入れずに言い返されて、うっと言葉に詰まる。
確かに。
「これはうちの特殊科学班のオリジナルよ。私、前線に復帰するまではそこのサポートに入ってたんだけど、その時にまぁ…思いつきでね」
「…作っちゃったんだ?」
「言っておくけど、DNA鑑定はメンバー全員が悪乗りしてきた結果だから。結果的に実用化されたし問題ないでしょ」
フラッペをくるくるとかき混ぜながら、Aさんは悪びれもせずに言ってのけた。
「…良いの?」
「良いのよ」
良いらしい。
「気にするのはいいが、ケーキは早く選ばないとAに取られるぞ」
「え、」
「ちょっと、私が大人げないみたいなこと言わないでよね。ボウヤの好物くらい把握してるわよ」
「は?」
なんだって?
「ボウヤ、そこのレモンパイは食べていいから。あと、ここにあるスコーンは好きなもののせて食べなさい。甘いのは苦手だろうから、おすすめはクロテッドクリーム」
「ま、待って待って!なんで知ってんの!?」
本当に把握されてて怖ぇんだけど!?
するとAさんは、綺麗な顔に薄く微笑みを乗せて、あのねと口を開く。
「知らないと思われる方が心外」
「……あ、はい…」
Aさんへの認識が改まった瞬間だった。
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胡蝶(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます。修正いたしました! (2022年8月2日 2時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 82話、名前変換出来ていない箇所があります。 (2022年8月1日 7時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - 明里香さん» ご報告ありがとうございます!修正いたしました。ご不便をおかけいたしました…! (2022年7月31日 17時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 66話、名前変換出来ていない箇所があります。 (2022年7月31日 11時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - cherry*さん» こちらこそです!更新本当に遅いのですが、どうか最後までお付き合いください! (2022年5月27日 12時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月19日 5時