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「……っ、ぅ……！」
背中を丸める。
肩を震わせ、嗚咽を押し殺し、溢れる涙を袖で拭う。
「…ならば、力を手に入れなさい」
「え…？」
穏やかな声に、思わず顔を上げた。
「その男が憎いのなら、許せないのなら。間違っていると思うのなら、それを正す為の力を手に入れなさい」
ジェイムズさんは落ちたハンカチを拾い上げ、もう一度私へと差し出す。
「君は賢い。私が何を言っているのか、理解できるはずだ」
「―――…」
私は呆然とした。
言っている意味は、分かる。
そして、私がそれを受け入れるだろうという確信をしているのも。
でも、一体どこからそんな確信が湧き上がってくるのか。私はあの男を、“殺したい”と言ったのに。
―――“The time is out of joint, O cursed spite, that ever I was born to set it right.”
ふと蘇ったのは、『ハムレット』の一節。
…似ている。
今の私は、あの悲劇の始まりによく似ている。
ああ、そうか。
この世の関節は外れてしまったのだ。
それを正すことができるのは、それを知っている者だけ。
「…分かり、ました」
差し出されたハンカチに、手を伸ばす。
それが呪われた因果だというのなら、それでもいい。
…少なくとも。
この道の先に、あの男がいるのなら。
「私―――FBIになります」
進む意外の選択肢なんて、初めから存在しない。
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胡蝶(プロフ) - マニ。さん» コメントありがとうございます！励みになります…！とても有り難いお申し出なのですが、返信までの時間が超絶気まぐれでして…。恐縮ですが遠慮させて頂いております…すみません。小説を読んで下さり本当に嬉しいです！よろしければ最後までお付き合い下さいませ！ (2月25日 17時) (
レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
マニ。(プロフ) - 胡蝶さん» ✉️。こんにちは！とても面白いです！もしよろしければ一緒にボードで会話しませんか？これからも更新応援してます💝 (2月25日 9時) (レス) id: 861062e758 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - yuka.125さん» コメントありがとうございます！とても励みになります！のんびり更新ですが、どうぞ最後までお付き合いくださいませ！ (2月8日 5時) (レス) id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
yuka.125(プロフ) - すごい面白いです！続き気になります！ (2月7日 17時) (レス) @page46 id: 6cd4b73c69 (このIDを非表示/違反報告)
胡蝶(プロフ) - ゆいさん» いつもご覧頂きありがとうございます。以前に引き続きコメントをいただけてとても嬉しいです！しおりもとてもありがたいです…！三幕は他に比べて短めの想定なので、そろそろ佳境に突入します。引き続きお楽しみ頂けるよう頑張りますね！ (1月25日 0時) (レス) @page39 id: 99e92a821f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡蝶 | 作成日時：2023年9月14日 19時
