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なんだ、今の。
後ろ手に組んだ手首で脈拍を測るが、特に変化はない。
おかしいな、と頭の片隅で考えつつも、顔には出さないよう笑みで取り繕った。

「ああ、そういうことでしたか。確かに、貴方ほど魅力的な女性なら、そういうこともあり得るかもしれませんね」

すると、ギムレットはさっきまで浮かべていた笑みを一瞬で消し去り、真顔でこちらを見つめてきた。

「…そう思う?」
「ええ」

表情を崩さず肯定すると、ギムレットは次にスコッチへ目を向けた。隣に並ぶ肩が、ぎくりとこわばる。

「……ふぅん」

ぽつりと感嘆をこぼすと、彼女は気だるそうにソファから立ち上がった。何やらゴソゴソとブランケットの山を漁っている。

「バーボンは完全に私と同類か。…でも、スコッチが私と同じとは思わなかったな」

探り屋の素質の話だろうか。
そう思っていると、いまだに体をこわばらせているスコッチが、確かめるように口を開いた。

「…俺と、同じって…もしかして君は───」

刹那、唐突に振り向いたギムレットが、ブランケットの中から抜き出した小銃を突きつけた。

「!?スコッ───…!!」

名前を呼び終わるより先に甲高い銃声が響き、鋭い風圧が肌を擦る。

「────…」

お互い目を合わせれば、銃弾はちょうど僕達2人の間を抜けたらしかった。ちらりと視線をずらせば、壁に銃痕が穿たれている。

「───私の前で、それ以上口にするな」

淡々と紡がれた口調は冷静だが、殺気が雄弁に激情を語っている。
これはまずい。
初対面で事を荒立てたくはない。まだ彼女がどういう人物か分かっていない以上、むやみに心証を悪くするのは避けなければ。

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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます!キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年5月19日 23時) (レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー! (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月18日 2時

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