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Case.25 ページ27

「…FBIだって明かすのは、昴さんとの関係性を断ってくれればなんとかなると思うけど…」
「そうだな…だが、公安と協力関係を結ぶのはさすがに無理だと思うぞ?」

赤井さんの言葉に、俺もうんうんと頷く。聞いてはないけど、赤井さんと安室さんには何か因縁があるようだった。

「でも、それは秀一とバーボンの話でしょ?組織的な話なら乗ってくる可能性もあるじゃない」

Aさんの言うことにも一理ある。けど、やっぱりあの一件を直に体験した身としては断られる未来しか見えない。
俺達の芳しくない様子に、Aさんは小さくため息をついた。

「2人の意見は分かった。でも、言うだけ言ってみる。それでダメなら諦めるわ」

そう言って、手を組んでぐっと伸びをした。

「聞きたいことはそれだけ。じゃあ私はシャワー浴びてくるから、ボウヤは暗くなる前に帰りなさいよ」
「あ、はぁい…」

俺の返事を聞き流して、Aさんはさっさと部屋を出て行ってしまった。

「Aさん、安室さんとキスしたこと全然意識してないのかな…」

あんなことされたら、普通はもっと意識したり警戒したりするもんじゃないのか。
もしかして、Aさんにとっては大したことじゃないのか?潜入捜査官だったわけだし、そういうのも武器の一つだったのかも。いやでも、ポアロで安室さんがしたのは、もっとこう…かなり大人な感じの。

「………」

やべ、思い出しちまった。
一瞬で顔が赤くなるのを感じて、慌てて浮かんだ光景を掻き消す。
なんで俺の方が照れなきゃなんねぇんだ。

「どうやら、ボウヤの方が効いたようだな」
「はは…安室さんの道のりは遠そうだね…」

なんだかいたたまれなくて目を泳がせる。すると、赤井さんがフッと口元を緩ませた。

「そうかな?俺は時間の問題だと思うがね」
「え…なんで?」

どう見ても、欠片も伝わってなかったと思うけど。

「理由はいくつかあるが…Aが、安室君を嫌っていないからさ」

なんだそれ。
俺が分かっていない顔をしていると、それに、と言葉が続いた。

「彼は相当一途のようだからな。逃げる獲物を追い詰めるのは彼の領分だろう?…Aも、彼相手なら気を許すはずさ」

そう言って、赤井さんはAさんの出て行ったドアを見やる。

「何か…あったの?」

含みのある言い方が気にかかった。ライトグリーンの瞳がこっちを向いて、いや…と呟く。


「子供に話すものではないさ」


その瞳の奥に、言い知れない何かを見た気がした。

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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます!キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年5月19日 23時) (レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー! (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月18日 2時

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