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Case.23 ページ25

「頭の切れるボウヤがいることは、秀一やジョディから聞いてたのよ。妙なシールをつけられた時点でまさかと思ったけど、ポアロでの様子で確信したわ。せわしなくバーボンの様子を観察してたし、私の情報を聞き出そうと話題を誘導してたしね」
「えへへ…」

本当に一から十までバレている。引き攣った笑いしか出てこない。

「つまり、ボウヤが相談したいと言っていたのは、Aの事だったのか?」

見かねたらしい赤井さんが助け舟をくれた。ありがてぇ。

「うん。Aさんを探してた時、電話で“ライについて教えてくれるのか”って話してたことを聞いたから、組織に繋がりのある人物かと思ったんだ」
「あー、ジョディと電話してた時の事ね。昨日まで、秀一のことはライって呼んでたから」

「…てことは、やっぱりAさんも組織に潜入してたんだね」

確認も兼ねて問いかけると、Aさんは薄く笑って俺を見下ろす。

「ええ。コードネームはギムレット。ハッキングや諜報活動が主だったわ。潜入してたのは2年半ってところかな」
「ギムレット…」

それはライムジュースを使ったカクテルの名前だ。
そして、そのベースとなる酒の名は。

「……まさか」
「…噂に違わず察しが良いね。…そう、そのまさか」

不愉快そうに口元を歪ませて、彼女は言った。


「ギムレットは、ジンの直属の部下だったのよ」


衝撃の事実に、一瞬頭が呆ける。それを即座に叩き起こして、俺はごくりと生唾を飲み込んだ。

「だ、だったら、奴らに関する重大な機密も…!」
「…残念だけど、組織を瓦解させるほどの力はなかったわ。ジンの近くに潜り込んだまでは良かったけど、予想外の事態になって…身動きが取れなくなった。直属の部下と言えば聞こえはいいけど…あれはただの、体のいい人形よ」

Aさんは吐き捨てるように言うと、ソファの上で膝を抱え込んだ。そこにただならぬ何かを感じて、喉にせり上がった質問を飲み下す。
代わりに別の質問をぶつけた。

「じゃあAさんが潜入捜査から引いたのはどうして?やっぱりFBIってバレそうになったから?」
「ああ…それは違うわ。バーボンもそうだったけど、私がFBIだってことは組織には気づかれてないはずだから」
「え…だったらどうして?」

何があったのか分からないが、ジンの近くに入り込んでいたのなら、引く必要はなかったんじゃないか?

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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます!キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年5月19日 23時) (レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー! (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月18日 2時

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