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Case.15 ページ17

「こう見えて、国籍はアメリカなの。私、日本とアメリカのハーフだから」

言われてみればと、蘭さんと園子さんが盛り上がっている。

彼女の場合、目さえ隠してしまえば、一見してハーフとは分かりにくい。色素の薄い栗色の髪も、よく見なければただの茶髪として認識されがちだ。更には似たような色に染める人も多いから、それが地毛だと気づく人もあまりいないだろう。

「じゃあ、Aさんが体を鍛えてるのは、お仕事の為?」
「…どうしてそう思ったの?」

質問を質問で返されて、コナン君がほんの少したじろぐのが分かった。

「え、えと…蘭姉ちゃんと園子姉ちゃんが、ひったくり犯を一撃で倒したって言ってたから…ね、蘭姉ちゃん!」
「うん。それにAさん、あの時すごく高いヒール履いてたのに軸が全然ぶれてなかったから、体幹がしっかりしてるなって」
「ふぅん…なるほどね。そんなところに目がいくなんて、蘭ちゃんは何かスポーツでもやってるのかな?」
「はい!空手をやってて」
「蘭ってば、高校の都大会で優勝するくらい強いんです!」
「え、すごい」

再びわいわいと話が盛り上がっているが、コナン君の質問は上手く躱されたらしい。
だが、おかげで彼女と知り合った経緯はある程度掴めた。
それに素人のひったくり程度なら、彼女の敵じゃない。
可哀想にと、間の悪いひったくり犯を哀れに思った──その時。

「でも、驚いたな。偶然会った貴方達に連れられてきた喫茶店で、まさか知り合いが働いてるなんて」
「……え?」

思いもよらない言葉が聞こえてきて、弾かれたように顔を上げる。
同時に、彼女は僕を見て、薄く笑みを作った。


「久しぶりね、透。私のこと、もう忘れちゃった?」


してやったりと言わんばかりの表情に、さっきまで慎重に様子を窺っていた自分が一気に馬鹿らしくなる。
生きていたことへの安堵より、呆れと振り回されたことへの怒りの方がこみあげてきて、自分でも驚くほど深く重いため息が出た。

「……それはこちらのセリフですよ」
「あ、安室さん…?」

いつもと違う僕の雰囲気を感じ取ったのか、隣の梓さんが若干引いている。悪いが今は許してほしい。ちょっと自分でも抑えがききそうにない。
カウンターを出て、テーブルへと足を進める。近づくにつれて僕が怒っていることに気づいたらしく、彼女は引き攣った顔で腰を浮かせた。

逃がすか。

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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます!キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年5月19日 23時) (レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー! (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月18日 2時

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