Case.14 ページ16
「お待たせしました」
「あっ、きたきた！」
園子さんが目を輝かせて、絶品だからとハードルを上げてくれる。
「へぇ、これが園子ちゃんオススメのハムサンドね。確かにおいしそう」
「感想は食べてみてからですよ、Aさん！安室さんが作る料理はどれもおいしいけど、なかでもこのハムサンドが超人気だからさ！」
「……園子さん、お気持ちは嬉しいですけどそのあたりで…」
人気メニューだからもちろん自信はあるが、そこまで期待値を吊り上げられるとさすがに困る。そっと彼女の様子を窺うと、きょとんと目を丸くしていた。
「…貴方、そんなに料理するの？」
「…ええ、まぁ…一応喫茶店で働いてますし、それなりには」
「…そう」
まるで、ほとんどできないと思われていたような言い方だ。
…そういえば、ギムレットがいた頃はまだ料理はからっきしだったな。
任務の関係で、スコッチやライと共に3ヶ月ほど彼女のセーフハウスに滞在することがあった。あの時、料理はもっぱらスコッチがやっていたし、料理ができないと宣言もしている。
…やっぱり、ギムレットなのか…？
少しずつ疑惑が確信に変わっていくのを知ってか知らずか、彼女は律儀に手を合わせると、いただきますと言ってハムサンドを齧った。
「ん、おいし」
「え、」
「でっしょー！？」
何故か園子さんが自慢げだが、それはこの際どうでもいい。思わず口をついて声が出るほど浮かれてざわついた心を宥めるのが先決だ。平静を装いつつ、テーブルを離れてカウンターで洗い物を始めてみる。なんだかコナン君から意味ありげな視線を感じるけど、僕が心の余裕を取り戻すまで待ってほしい。
「んー、これは人気出るの分かるな。近くで良い店見つけちゃった」
「近くって…Aさん、この辺りに住んでるの？」
「住んでるというか…日本人の知り合いに、長期休暇を利用して日本に遊びに行きたいって言ったら、家を貸してくれたの」
「日本に遊びにって…Aさん海外に住んでるんですか！？」
聞き耳を立てていると、なかなか有益な情報が聞こえてきた。コナン君が話題をコントロールして、情報を引き出そうとしていることが分かる。さっきの視線といい、彼女をここへ誘導してきたのも十中八九コナン君だろう。組織に関わる何かを感じ取ったに違いない。
それで、潜入中の僕に引き合わせて様子を見ようということか。さすがだな。
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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます！キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです！更新頑張ります！ (2022年5月19日 23時) (
レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー！ (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：胡蝶 | 作成日時：2022年5月18日 2時
