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Case.8 ページ10

「だーかーらぁ!人探しよ、おじ様!」

バンッと勢いよくおっちゃんの机が叩かれ、俺は探偵事務所のソファに座ったまま、うるせぇなぁと心の中で独りごちた。
なんでも、昨日出かけた時に園子がひったくりに遭い、その時助けてくれた女性にお礼がしたいのだとか。

「依頼料なら払うって!それに、探してる人は超美人だし!ね、お願い!」

手を合わせて拝む園子に、おっちゃんはやる気なさそうにスマホを眺めてた。

「超美人つってもなぁ…写真もない上に、特徴は茶髪でショートカットってだけだろ?」
「そうなんだけどぉ…」

園子はガックリとうなだれる。
確かに、その情報だけで人探しは無理があるか。
まぁ、おっちゃんがやる気ないのは、別の理由の所為だろうけど。

「お父さん、ホントになんとかならない?」
「無理無理!もう少し情報がなけりゃ、探すに探せねぇよ。それに、俺にはこのあと大事な用事があんだからな!」

ほら出てけと事務所を追い出され、背後でバタンとドアが閉まった。
って、なんで俺まで締め出されてんだ…。
ハハハと乾いた笑いがもれる。

「ねぇ蘭、おじ様…今日依頼でもあるの?」
「さぁ…そんなこと言ってなかったと思うけど…」
「依頼じゃなくて、沖野ヨーコのライブDVDが届くんだよ」
「えっ?」

口を挟んだら、蘭が驚いたように目を瞠った。

「昨日、そのDVDの発売日だから。多分おじさん、ネットで予約してたんじゃないかなぁ?普通は発売日に届くけど、昨日は高速道路がかなり渋滞してたらしいし、1日遅れたんじゃない?」
「でも、それだけじゃDVDとは限らないんじゃ…」
「だって蘭姉ちゃん、最近は色々節約してるでしょ?おじさんもそれを知ってたから、隠れて注文してたんだよ。蘭姉ちゃんは昨日、園子姉ちゃんと出かける予定だったし、バレずに受け取れると踏んでね」

そもそも、蘭が園子と遊ぶというのはおっちゃんの勧めで決まった話だからな。何かあるなと調べたらこれだった。

「それに、さっきおじさんがスマホで見てたのは配達状況だと思うよ。時間指定にしておけば、大まかな時間なら分かるし。昨日だったら、蘭姉ちゃんはとっくにいない時間だもん」

だからおそらく、もう少ししたら宅配業者が来るはずだ。

「お父さん…っ!!」

蘭の背後にメラメラと炎が立ち昇る。
あ、やべ。
思いの外怒らせちまった…。

「もう知らない!行こう園子、コナン君!」

つかつかと先を行く蘭を追いかけて、俺と園子は階段を駆け下りるのだった。

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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます!キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年5月19日 23時) (レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー! (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月18日 2時

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