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Case.34 ページ42

しびれを切らして立ち上がった彼は、その一言でぴたりと静止した。

「夕食、和食なら食べたいな」
「…今、名前…」

夕食のメニューに口を出したら、気になったのはそこらしい。

「ここまでらしくないとこ見せられたら、もうバーボンなんて呼べないでしょ?」
「ああ…そういう…」

呆然と呟かれたそれに、そういえば日本ではファミリーネームで呼び合うのが一般的だったと思い出した。
どうやら今度は照れているらしい。

「…零?」

もう一度呼んでみると、口元に手を当てて目を背けた。
うん、やっぱり照れてる。

「ふぅん、名前ひとつでそんなに嬉しい?」

にやりと笑ってみせれば、降参だとため息をつかれた。

「今の君も、ギムレットらしくない。──だが、やっぱり僕は、君のことが好きらしい」

ぎし、と机が軋む。乗り出した零が私の髪をさらりと掬い取り、小さくリップ音を鳴らしてキスを落とした。

「…覚悟しておけよ、A」
「…え、」

さっきまでの可愛げが嘘のように、その蒼い瞳がギラリと鋭く光った。背中を冷や汗が伝い、本能が危険を知らせてくる。
私は何を勘違いしていたんだろう。例え別の顔でも、バーボンの手腕はこの男の実力。情報の為ならハニトラだってお手の物だ。

それが、本気で口説きに来たのなら。


「絶対に落とす」


「ひえ…」



私、なんで保留とか言ったんだろう……。

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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます!キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年5月19日 23時) (レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー! (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月18日 2時

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