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「んん…ベルモット……?」
「もう…さっきまでキャンティといたんでしょう。どうしてまた寝るの」
「待ってたらうとうとして…」

ふわぁっと大きなあくびをして、眠そうな目をこすっている。
彼女がギムレットか。
ベルモットと話しているのをいいことに、じっくりと観察させてもらう。

オーバーサイズのTシャツやショートパンツから惜しげもなくさらされた白い肌に、薄いグレーの瞳。ゆるいウェーブのロングヘアは栗色で、どうやら地毛らしい。
ベルモットと並んでも引けを取らない美貌だが、年齢によるものかアジア系の顔立ちによるものか、どこか幼い印象を受けた。

「まぁいいわ。詳細は連絡してた通りよ。貴方も少し動いてもらうかもしれないけど、基本は彼らに任せて、いつものサポートをしてくれるだけでいいわ」
「OK」

ちらりと、薄いグレーの瞳がこちらを向いた。

「…で、ライはどうしたの?わざわざ予定してた任務をカルバドスに変更してまでウイスキー達を揃えたんでしょ。おかげで決行日が早まって、キャンティが怒りながら下見に出ていったのに」

そう言われて、僕はスコッチと視線を通わせた。
今回の任務のメンバーは、僕とスコッチ、そしてライだ。どちらとも何度か一緒の任務にあたったことはあるが、正直ライとは反りが合わなすぎて既に犬猿の仲となっている。

「ライは今日の夜に到着予定よ。彼とキャンティは相性が悪そうだったから、気を利かせて変えてあげたのに…気に入らなかったのかしら?」
「それについてはぶつぶつ文句言いながら感謝してた」

「は?」

まさかキャンティの為に任務の人選を変更したとは思いもよらず、嫌そうな声が口から飛び出してしまった。慌てて口を押えるが、時すでに遅し。周りの視線が僕に集中していた。
くそ、らしくない…。
“バーボン”は冷静で通しているのに、アイツの事となると途端にこれだ。舌打ちをしたい衝動を抑えていると、ギムレットが形のいい唇を意地悪そうに吊り上げた。

「…ふぅん、バーボンはライのこと嫌いなんだ?それは知らなかったなぁ」
「あら、ギムレットの情報網にかかっていないなら、最近の話なのかしら?」

ベルモットもくすくすと笑っている。それもまた癇に障るが、なんとか心の中で落ち着かせた。

「…別に、奴とは反りが合わないだけです。仕事はきちんとやりますよ」

この組織でのし上がる為に、好き嫌いで仕事の質を変えるつもりはない。

.→←Case.Gimlet



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胡蝶(プロフ) - カイさん» コメントありがとうございます!キャラクターの“らしさ”の部分は結構気にして書いているので、気づいて頂いてとても嬉しいです!更新頑張ります! (2022年5月19日 23時) (レス) id: 1da46a4e4a (このIDを非表示/違反報告)
カイ - えええ…素敵すぎて今日初めて拝見したんですけど、全て見終わっちゃいました…。キャラクターの性格をよく噛み砕いて書いてる印象を受けました。コナンファンには絶対読んでもらいたいー! (2022年5月19日 0時) (レス) @page35 id: 6aad3c552e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:胡蝶 | 作成日時:2022年5月18日 2時

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